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第8回 松井ニットとの出会い

文・鈴木正晴

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兄の智司さん(写真右)と弟の敏夫さん(同左)

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毛混ストライプ リブマフラーパープル系のアップ

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 私が松井ニットを知ったのは何と海外です。約13年前、当時商社勤めだった私が、出張でニューヨークのMoMA(ニューヨーク近代美術館)に行った時のこと。ミュージアムショップになんだか派手なマフラーがあり、身につけてみるとやたらと首回りにフィットして気持ちいい。最初は派手!と思った柄も、その時着ていたスーツに妙にぴったりで買って帰りました。色はパープルだったと記憶しています。そのままお客様との打ち合わせに向かったところ、先方のアメリカ人のデザイナーが「そのマフラーはどこで買った! 売ってくれ!」ということになり、その場でプレゼントしたのです。また買おうと思って札を見たら「made in Japan」。びっくりしたのと同時に誇らしくもありました。

 後から聞いたのですが、その頃はMoMAが世界に先駆けて松井ニットを本格的に販売し始めたころで、その後、ミュージアムショップのストール部門で5年連続売上ナンバー1! 数年してから日本で販売が開始されたという、いわば世界が先に認めた「made in Japan」だったんですね。

 実はこのハイセンスなマフラーを作っているのは二人のおじいちゃん。

 お兄ちゃんの松井智司さんが社長で、柄を決めています。毎年毎年、新商品を発表するのですが、よく見ると毎年全然違う柄なんです。流行色の勉強のために、いまだに美術館巡りを欠かしません。こだわりのモノヅクリが受け入れられる背景には、お兄ちゃんのデザインセンスが存在するのです。

 一方、弟の松井敏夫専務は営業。スーパー営業マンです。マフラー片手に世界中のどこにでも行って、得意の語学力を生かして商談をまとめてきます。このお二人からは一切、苦労したお話を伺ったことが無く、いつも楽しく、次の目標、次の戦略のお話を聞かせていただいています。ちょっとこちらが発注を怠ると、“鈴木さん、最近発注少ないね”とのお電話が。こちらも気が抜けません。いつも真剣勝負。

 ゴルフウェアにチャレンジしたり、今までとはまったく異素材のマフラーを作ってみたり。国内各所の展示会場でばったり出会うことも。松井兄弟は大忙しです。ご自分たちはハイスピードで世界中を動き回っているのに、作るニットはローテク、ロースピード。そのギャップもまた魅力の一つでしょうか。

 超撥水風呂敷は先端の技で伝統を守る。

 松井ニットは伝統の技で先端のデザインを求める。

 様々な日本のモノヅクリのカタチ、是非体験・体感してみてください。


(更新 2015/5/20 )


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プロフィール

鈴木正晴(すずき・まさはる)

 株式会社日本百貨店・代表取締役社長、ディレクター兼バイヤー。1975年神奈川県生まれ。1997年東京大学教育学部卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社。アパレル関連の部門で、海外とのビジネスを多く経験する中で、国内の“モノ づくり”文化に根差したすぐれものをより広いマーケットに広める一助となりたいと考え、2006年3月伊藤忠商事を退社。2006年4月に株式会社コンタン(現・株式会社日本百貨店)を立ち上げる。2010年12月には東京・御徒町に、日本の優れものを集める小売店“日本百貨店”を オープン。食・雑貨・衣料雑貨など、全国から様々なこだわりの商材を集め、作り手と使い手の出 会いの場を提供している。著書に「日本百貨店」(飛鳥新社 2012/12)

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