第6回 熱血タオルオジサンが作るふわふわショール |AERA dot. (アエラドット)

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第6回 熱血タオルオジサンが作るふわふわショール

文・鈴木正晴

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タオル製作は内職工に支えられています

タオル製作は内職工に支えられています

カラーズヴィルの皆さん(中央が竹田社長)

カラーズヴィルの皆さん(中央が竹田社長)

竹田社長自信作のガーゼショール(グレーイエロー)

竹田社長自信作のガーゼショール(グレーイエロー)

ブラックホワイト

ブラックホワイト

レッドブラック

レッドブラック

ライトブラウン

ライトブラウン

 日本百貨店の鈴木正晴です。6回目のコラム、今回は、第5回のコラムでご紹介したタオルの産地、愛媛県今治市で、長年「後加工」を専門に行っている工場から生まれたガーゼショールのお話です。

 作り手は、カラーズヴィルの竹田昌弘社長。

 竹田社長は今治の後加工工場の息子さんです。ショールは今期の新作で、日本百貨店では3年ほど前から、竹田さんの作るガーゼストール、ガーゼマフラーを扱ってきました。

 タオルに最終の加工(着色、洗い加工など)を施す工場には、今治中のあらゆるクオリティのタオルが集まります。いいところ、改善できるところ、デザインのトレンドや本当に評価される商品の表情など「それを見続けてきた加工屋が、自分で最高のショールを作ったらこうなった」竹田さんが自信たっぷりに話すのがうなずける肌触りと機能性を誇るショールです。

「いいものはもうたくさんあるから、同じものは作る必要はないんです」

 竹田さんは語りだすと熱い熱い。若干暑くるしい。ぺっぺぺっぺと唾を飛ばしながら、熱い思いを語ります。

「どこにもないものを作りたかった。タオルマフラーもいっぱいあるから、機能でもデザインでも、絶対に他ではできないことをやらないと意味が無いと思ったんです」

 是非作っている現場を見せてほしいと竹田さんの事務所を訪れてみると、

「せっかく今治まで来たんだから、かき氷食べに行きましょう」

 いや、竹田さん、今日寒いから(※9月の寒い日でした)。僕の抵抗も無視して、とにかくかき氷屋へと向かいます。

「このかき氷屋は僕が小さいころからあるんです。今じゃ有名になっちゃったけど昔と全然変わってない。そして今治は、地域全体でタオルの内職をするような、そんな町だったんです。内職をするおばちゃんたちもだいぶ減ってきて、だけど値段を上げるわけにもいかず、というのがつい最近までだった。だけど、ほんとに価値があるものであれば、その価値に見合った値段でいいじゃないかって思うんです。そういう流れが許されるような雰囲気になってきた。ここは気候もいいし人もいい。海外にいたこともあるんだけど、やっぱりここが好きで、自分の仕事ってのを考えた時に、タオル屋に出来ないタオルを作ろうかって思たんです」

 問わず語りの中に、地元への愛着と、仕事に対する価値観が見え隠れします。何のためにこの仕事をやってるんだろう?いつも自問自答している自分のことも重ね合わせ、竹田さんとは兄弟のようにお付き合いさせていただいています。

 東京に来るたびに日本百貨店にやってくる竹田さん。研究熱心で、どの柄の評判がいいのか、どんな風にしたらもっと売りやすくなるのか、自分のストール以外で今、お店で売れているのはなんなのか。お店の女の子たちにぺっぺぺっぺと唾を飛ばしながら、たくさんの情報をお土産に帰っていきます。そして時にはお店のお客さんにもぺっぺぺっぺと……。

 その強力なリサーチの力で生まれたこちらのショール。高級タオルのノウハウをふんだんに取り入れて、ふわふわでとろけるような肌触りです。吸水性、速乾性に優れ、汗をかいてもべちゃべちゃしません。家庭での洗濯ももちろん大丈夫。うちの女性陣の意見も最大限取り入れていただいて、肩やひざにかけたりと、様々な用途で活躍します。

 熱血タオルオジサン。

 産地を支えるのは、こういう熱意ある作り手なんです。是非、竹田さんに会いに、日本百貨店にいらしてください。


(更新 2015/5/ 7 )


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プロフィール

鈴木正晴(すずき・まさはる)

 株式会社日本百貨店・代表取締役社長、ディレクター兼バイヤー。1975年神奈川県生まれ。1997年東京大学教育学部卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社。アパレル関連の部門で、海外とのビジネスを多く経験する中で、国内の“モノ づくり”文化に根差したすぐれものをより広いマーケットに広める一助となりたいと考え、2006年3月伊藤忠商事を退社。2006年4月に株式会社コンタン(現・株式会社日本百貨店)を立ち上げる。2010年12月には東京・御徒町に、日本の優れものを集める小売店“日本百貨店”を オープン。食・雑貨・衣料雑貨など、全国から様々なこだわりの商材を集め、作り手と使い手の出 会いの場を提供している。著書に「日本百貨店」(飛鳥新社 2012/12)

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