先日、電子書籍イベント「RePub」でお話をした。参加費は1500円だった。毎月行われているイベントで、集まるのは電子書籍が大好きな人達なので、とても居心地がいい。多くの人がKindleやiPad miniなどの電子書籍端末を会場に持ってきているので、比べ合いをするなどして、会話も盛り上がり、すぐに仲良くなれるのもまた楽しい。

 私は2004年にケータイ小説を書き始めたので、電子向けに作品を書き下ろし始めて今年で10年目になる。時代の流れはあっというまで、そして同じことは繰り返されるのだなと感じている。

 私は今月4作も電子向けの作品を書いている。「イケメンカフェの歩きかた」というエッセイに、「エロ怖」という短編レーベルに小説を、そして「肌恋」というスマートフォン向けのコミックノベルに新連載を、さらにこのRePubで編集長さんと知り合った「ダイレクト文藝マガジン」というオンライン文芸誌に夏目漱石さんの「夢十夜」のトリビュート小説をも書いた。

 紙の小説のご依頼もいただいているので、電子専業ではないのだけれど、比重は明らかに電子のほうが大きい。もしかしたら日本でも珍しいタイプの作家になりつつあるのかもしれないと我ながら思う。

 今はひたすら書いて作品をアップして種まきをしているような状態だ。ケータイ小説を書き始めた当初「ケータイで小説なんて読めないし売れない」と言われたけれど、結果的に私には1万DLを超える有料作品ができた。

 電子書籍に向けて書いている今も「電子端末で本を読む人なんていない。アメリカでは流行っているけど日本人には浸透しないだろう」としょっちゅう言われる。5年後には3倍以上の市場規模になるだろうと予測されている成長市場なんですよと説明しても納得しない人は多い。

 私は自分自身が好きで楽しいから、自分も読みたいなと思うものをせっせと作っている。売れるか売れないかではなく、電子書籍が好き。ただその一念で10年やってこれたのだと思う。

 このRePubというイベントでは「電子書籍なんて」という人はいない。それどころか皆で「もっと電子書籍を広めたいね」と話し合うことができる。どんどん新しい企画ができて皆の目は未来に向いている。だから私はこのイベントが大好きなのだと思う。