新年会にて、睦月影郎さんや作家仲間のみなさんらと。写真がブレていますが、ご容赦ください
新年会にて、睦月影郎さんや作家仲間のみなさんらと。写真がブレていますが、ご容赦ください

 私は新型端末が大好きで、iPadの時もKoboの時もそうだったけれど、最近は嬉々としてKindleを持ち歩き、会う人ごとに見せびらかしている。

 Kindleはすごい。私が持っている機種はKindle Paperwhite 3Gといって、オンラインブックストアに無料でアクセスできる(通信料は販売元のamazonが負担)。ボタンひとつ押せば、すぐに本を買え、画面にその本の文章を表示させることができるのだ。そこまでの時間は、文字だけの本であれば、1分とかからない。

 おかげで、物語を読むまで時間がほとんどかからなくなった。今までは本屋さんに出かけて買い求めていた本が、この10年ほどでネットで注文すれば翌日には自宅に届けられるシステムが浸透した。そのラクさに驚いたのがつい昨日のことだと思っていたのに。もう一晩待つ必要もない。読みたいと思ったら即、読むことができるのである。

 新年会で作家の睦月影郎さんにお会いした時にも、Kindleは大活躍した。隣にいる睦月さんの400円の文庫本をダウンロードし、その場でお見せすることができたのだ。
 まるで手品のようにあっというまに電子書籍端末に睦月さんの著書を表示させた私に、周囲のみなさんからも「速い!」「これは便利だ」の声があがった。

 睦月さんに私の近著『誰も教えてくれない Facebook & Twitter 100のルール』という本を差し上げたところ「サインを入れて」とおっしゃった。なので私はペンでサインを書き込んだ。

「じゃあ私にもサインをいただけますか……?」
 と言いかけて、私は気づいた。Kindleにダウンロードした電子書籍には、サインはできない。せっかく隣に今買った本の著者さんがいるというのに、記念に一筆入れていただくことができないのだ。すごく残念で、せめてもと一緒に写真を撮って帰ってきたけれど、今でも気持ちがもやもやしている。

 本の著者として、これからサイン以外の何かを私たちは考えなくてはならないと思う。電子サインといって著者のサイン画像をその場で相手に送信する人も出てきているらしいし、もうそうするしかないかもしれない。

 私もその場でiPadに指でサインやメッセージを書き込みメールで送ることを考えている。でもその画像をKindle本の表紙裏に貼り付けることはできない。
 ああっ、やっぱりまだ何かどこかもやもやしている。