2012年10月25日、ついに巨大電子書籍サイトKindleストアの日本版がオープンした。

 ここのすごいところは、電子書籍端末Kindle以外に、iPhoneやAndroidでも電子書籍を読むことができることだ。さらに、いちいちPCにつなげなくても、買った書物をワイヤレス転送してくれる。ネットで本を買い、ふと横を見たら、さっき買った本がもうiPhoneに表示されていた、なんてことが起きるので最初はマジックみたいで不思議だった。

 そして実は私、早くもこのKindleで書き下ろし短編をリリースしている。しかも3作も。短編なので価格は239円とお手頃だ。
 これは私ひとりでできることではなく、版元さんがお声をかけてくださった企画があったからなのだけど、記念すべきKindleストアオープンの日に、自分の名前がトップページに出ているのを見て、本当に頭がゾクゾクしてくるくらい興奮してしまった。

 これから出版の世界がどう変わっていくかはわからない。電子書籍端末で先を行くアメリカでは紙の本より電子書籍のほうが売上が上回るケースが多発している。日本はそうはならないとは言い切れない。なぜなら電子書籍市場がコミックを中心にどんどん伸びているからだ。

 私は多分日本ではとても珍しい、電子書籍の書き下ろしを頼まれることのほうが多い作家になってしまっている。そして実際、紙で出すより、電子で出したほうが多くの人に売れるケースがある。反響がよいことも多い。

 20歳の頃からずっとネットが好きで、ゲームやチャットなどして彷徨ってきたけれど、ネット大好きだからこそ、うまく電子に対応できているのかもしれない。

 私は20歳の頃に、将来の自分の目標をいくつも書いた。この間読み直したのだけれど、その中に「森林破壊にならないような方法で本を作る」と書かれていた。当時は再利用紙を使うなどそういう方向で考えていた。でも今、20歳の時の目標は、電子書籍という形で叶いつつある。

 私の初めての本が出たのが27歳だから、その7年も前から「本を出すんだ」と決めこみ、さらには紙ではない方法の出版も模索していたのはちょっと立派だなと、我ながら思う。

 でも20歳の自分が今の自分を見たらどう思うだろう。とりあえずは「太ったわね~」と眉をひそめるに、違いない。