6月3日に新しい本が出る。タイトルは『1日10分からのソーシャルネット入門』。その名のとおり、複数のソーシャルネットを効率よく使いこなすための本......のはずだった。いや、一応そうである。

 けれど、ネットのコツということだけではおさまらない、私が勝手に書き加えた、当初の企画段階では予定されていなかった章がある。それは「災害時にソーシャルネットでできること」という内容だ。

 私たちは今まで、天災が起きた時はただテレビの画面越しに現地を案じ、募金をすること以外は、なかなかできなかった。けれどネットが普及した今は、できることがふたつあった。それは『情報を伝えること』と『誰かを励ますこと』。そのことについて、記憶が生々しいうちに、残しておきたかったので、勝手に書き足した。

 帰宅難民の人達に「電車の運転が再開したよ」とリアルタイムで知らせることができたり、救援物資の呼びかけをしたらあっという間に荷が集まったり、ネットがあったからこそ、大勢の人に呼びかけることができた。お礼が欲しくてしたことではもちろんない。今までの天災時のように「何もできない」という虚しさを抱えたままの自分から卒業できた。それが嬉しかったのだ。

 震災時、私たちがネットでできたこと、そしてできなかったこと。それはニュース速報を伝えることだったり、デマも流れてきて何が真実かわからなくなって混乱したり。いろいろな非日常がそこにあった。そこから学ぶことも多かったので、丸々一章使って記録をした。

 編集さんは、予定より増えた原稿を黙って受け取り、あちこちを詰めて、なんとか本に組み込んでくれた。それどころか「この大変な時期の中、良く仕上げてくれましたね」とほめてくださった。

 この震災の章には『デマになりやすい書き込みのチェック方法』も書いた。読む人が「この記事本物かな?」と不安になるかもしれないので、何か事実を伝えたい時には、ニュース記事など、信頼できるリンクを付けておくといいのだ。ほんの少し投稿前に点検をすることで、トラブルはかなり防げる。

 震災の章も結果的には初心者向けのレクチャーに辿り着けていたので、改めて読み直してみて、今、少しほっとしている。

 本の試し読みはこちらでできます↓

○内藤みかfacebookページ
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