全員バツイチ、5000円。

内藤みか
 先日、8人の仲間と飲んだ。
 どういう仲間かというと、バツイチ仲間である。集まった8人全員、離婚歴があるという素敵な会だ。
 何が素敵って、全員バツ経験があるので、気軽に離婚の話ができる。全員が離婚という壮絶なドラマを抱えているのだ。
 普通の飲み会だと、聞いている人が深刻そうな顔をするので絶対にできない悲惨な話も、笑いを交えながらできてしまうのだから素晴らしい。

 もともと私たちはインターネットの離婚系サイトでお互いに自己紹介しあううちに、知り合った。当時はお互い離婚したてでしょっちゅう会っては飲んでいた。でもそれぞれ仕事が忙しくなり、しばらく音沙汰なかったのだけれど、SNS上で再会し、また飲もうということになったのだ。

 実は7年ぶりくらいにこのメンバーで集まったのだけど、8人のうち5人が再婚していた。そしてその中の2人は再離婚までしていてバツ2になっていた。
 私は同じ人と再離婚したため「なにがあったのか」と、切り込まれた。DVが再発し、私ばかりか息子まで殴られるようになって......という話は、あまりにも悲惨なので、文章にすらあまり書いていない。けれど彼らにならサラっと言える。
「アイツがさ、息子を殴り始めちゃって大変だったのよ」
 と......。

 集まった8人の中で、2人の子を抱えているのは私だけ。めちゃめちゃな毎日だったけれど、子どもたちはなんとか育ってくれている。そして同じ痛みを抱えた仲間たちは「よく頑張ってるな」と心からほめてくれた。そして成人まであと数年だな、と励ましてくれる。彼らはまるで親戚のおじちゃんおばちゃんみたいに私や私の子のことを案じてくれている。経歴や年齢を超えた深い絆がその場に流れていた。

 人生というマラソンを順調に駆ける人もいれば、私たちのように大きなブレーキがかかる人もいる。でも私たちはブレーキがかかったからこそ、今がある。
 みんな傷を抱えて、それでも前向きに生きている。ただそれだけで、ありのままの自分の姿を見せるだけで、お互いに癒される。こうした離婚仲間の輪、もっと広がるといいなと思う。

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