ついに我が家にiPadがやってきた。iPadとはノート大のブラウザである。

 私はただひたすらに電子書籍のために欲しかった。電子でも小説は楽しめるということはケータイ小説のブームでわかっている。だったら大きな液晶画面ではさらに楽しめるのではないかとワクワクしていたのだ。

 しかし、いざiPad用の電子書籍のお試し無料版などをいじってみると、驚くほど日本語の本は少なかった。目立っているのは著作権が切れた文豪作品がたくさん詰まった青空文庫と、雑誌があといくつかだった。もちろん日本のコミックや小説は売られていたけれど、ケータイ画面と同サイズだったりとまだまだ対応はこれかららしい。それにこれらはiBooks対応ではなかった。

 iPadでは、iBooksというストアを設けており、そこでは有料で電子書籍を売ることができる。書籍の価格は自分でつけることができる。無料にすることだって可能なのだ。 けれどどういう事情があるのかはわからないけれど、日本語の本はほとんど売られてはいない。まだ完全に日本語対応していないからなのか、あるのは英語の対訳がついている本だった。

 私はこのiBooksに大きな可能性があるような気がしてならない。なぜならば世界中の本がランキングで競うことになるからだ。たとえば私の本がもしかしたらハングル訳されて韓国でベストセラーになるかもしれないし、インドの小説が日本で大人気になるかもしれないのだ。

 もちろんそこには言葉の壁がある。けれど最近は自動翻訳ソフトの性能も上がっているので、仕上げだけをネイティブスピーカーにチェックしてもらえばだいじょうぶという時代がやってくると信じたい。

 本が売れなくなったと言われるけれど、iPadによって日本だけでなく世界に販路が出来るのだとしたらむしろチャンスなのだ。今後は日本の本も増えてくると思いたい。よぉしっ、世界の女性達と、年下の男の子との恋愛のときめきをわかちあえるような小説を書くぞ?ッ!