私はツイッターで140字小説を時々発表している。なぜ140字かというと、ツイッターが140字までしか書き込めないからだ。

 思い浮かんだフレーズをぽつぽつと綴っているだけだ。誰かに「これ、どうやってお金にするの?」とはよく聞かれるけれど、そういうつもりはあまりない(1冊、共著の短編140字小説集は出たけれど、10人で作ったから印税も10分の1だったし)。

 でも昨日、驚くことが起きた。私が男女の痴話げんかを題材に140字小説を書いたところ、ツイッター上でそれを読んだフレンチレストランからリプライがあった。

『このカップルの仲直りのシーンを、書いていただけませんか。うちのレストランをシーンに使ってほしいんです』

 しかもコースディナーにご招待してくれるという! 驚きでキーボードを打つ手が止まってしまった。

 でもすぐに「なんて面白い依頼だろう!」とわくわくして引き受けることにした。するとそのやりとりを見ていた1万2千のフォロワーさんの中から「じゃあうちのエプロンも」「うちの靴も」と言ってくれる人まで現れた。一晩のうちに私は、140字小説を3つ書くかわりに、靴とエプロンとコースディナーをもらえることとなったのだ。

 もちろんその140字小説にはその商品も登場させなければならない。それでいてストーリーも作る。ただでさえたった140字でキツキツなので、これは相当難易度が高い。けれど私は新しい可能性を感じてゾクゾクしていた。

 今まで小説は現金で受け取っていた。けれど物というのはとても新しい感覚だ。無医村の医師が診察代の代わりにと野菜を渡されたというエピソードを読んだことがあるけれど、どこかそれにも近い気がする。

 で、ふと思った。しばらくこの生活を続けてみたらどうなるかと。ツイッター小説と引き換えに、いったいどのようなものを私はゲットしていけるだろうかと。

 ルールはひとつ。そのお店の商品と引き換えに私が小説を書くだけ。140字という小ささだからこそ実現できそうな気がしてならない。

 広告小説だなんて新しい。そして私も現物支給がとても新鮮。ああおいしいパン屋さんやお米屋さんから依頼をいただけたら本当に生活できちゃいそう♪ みなさん、今後の私のツイッターにぜひご注目ください。『わらしべtwnovel』というタイトルでやるかと思いますんで。

内藤みかのtwitter
http://twitter.com/micanaitoh