最終回 小泉今日子に学ぶ4か条
小泉今日子の「変わっていく力」の秘密はどこにあるのか。それを探って来たこの連載も、今回が最終回となります。まだまだ、彼女の魅力を汲みつくしたとはいえませんが、私の力のおよぶかぎりの報告はできたように感じています。 小泉今日子の生きかたをそっくりまねることは、当人以外の誰にも不可能。とはいえ、彼女が...
小泉今日子の「変わっていく力」の秘密はどこにあるのか。それを探って来たこの連載も、今回が最終回となります。まだまだ、彼女の魅力を汲みつくしたとはいえませんが、私の力のおよぶかぎりの報告はできたように感じています。 小泉今日子の生きかたをそっくりまねることは、当人以外の誰にも不可能。とはいえ、彼女が...
■『あまちゃん』大ヒットの背景 2013年、小泉今日子は、宮藤官九郎が脚本を手がけた『あまちゃん』に出演しました。このドラマは、東日本大震災から立ち直ろうとする東北の人々を描き、視聴者の心をとらえました。1980年代のアイドルシーンを振り返りつつ、現代特有の「地方アイドル」を登場させた点も話題を呼び...
■太宰治ファンで三島由紀夫嫌いの理由 小泉今日子は、2005年から2014年まで、読売新聞の書評委員をつとめました。体験談を交えつつ、飾らないことばで本の魅力を語る――彼女の書評はたいへん好評でした。 そんな小泉今日子が読書に目覚めたのは、アイドル時代のことでした。<読書は10代の頃、仕事が忙しすぎ...
■小泉今日子「再浮上」の理由 2000年代の小泉今日子は、どちらかといえば「渋い」存在でした。「InRed」のような「青文字系雑誌」のアイコンをつとめたり、相米慎二や黒沢清といった、海外で評価されている監督の映画に出たり――仕事の格式は高いのですが、派手に目立っている感じはしませんでした。 そうした...
■『グーグーだって猫である』宮沢りえ版と小泉今日子版の違い 大島弓子原作・宮沢りえ主演のテレビドラマ『グーグーだって猫である』のDVDが発売になりました。犬童一心が監督をつとめたこの作品は、昨年、WOWOWでオンエアされたものです。 犬童一心は2008年にこの『グーグーだって猫である』を、映画化して...
■時にはオードリー・ヘプバーン、時にはソフィー・マルソー ――変幻自在だった「小泉今日子のアイドル時代」 アイドル時代の小泉今日子の演技には、目を見張らされる点があります。台詞まわしには「経験不足」を感じさせるものの、全身のたたずまいは、役によってまったく別ものに変わるのです。 小泉今日子が初め...
■世紀末に生まれた「女子」という概念「女子力」「女子会」「◯◯女子」――近年では、「女性」とは別の独特のニュアンスが、「女子」という語に込められています。 もともと「女子」という言葉は、学校において「男子」と対比的にもちいられていました。運動競技の名称にも、「男性」と「女性」や「男流」と「女流」では...
■「いい女」は36歳で死ぬ? マリリン・モンロー、ダイアナ妃、飯島愛――彼女たちにはひとつ、共通点があります。三人とも36歳で亡くなっているのです。 古来、数え年の37歳(満年齢だと36歳)は、女性の「厄年」とされてきました。「最後のひとり」を出産する年齢が、これぐらいになる場合が多かったからといわ...
■永瀬正敏は「憧れの人」だった? 1993年、小泉今日子は雑誌「anan」で永瀬正敏と対談します。 小泉今日子はこのとき、「永瀬さんが言ってた、ジョン・カサヴェテスの映画観ました」と話を切り出しています。カサヴェテスは、ハリウッドの大手プロダクションと提携せずに映画を撮る、独立系作家の旗手です。19...
■最初は作詞を嫌がっていた 1991年、小泉今日子は「あなたに会えてよかった」をリリースしました。この曲はミリオンセラーとなり、彼女のシングル盤の売り上げ記録を更新します。みずから手がけた歌詞は、日本レコード大賞作詩賞に輝きました。 自分で歌詞を書くアイドルは、そのころ珍しくありませんでした。そのな...