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最終回 小泉今日子に学ぶ4か条文・助川幸逸郎 |

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小泉今日子はなぜいつも旬なのか(朝日新書)
助川幸逸郎著
定価:842円(税込み)
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小泉今日子の「変わっていく力」の秘密はどこにあるのか。それを探って来たこの連載も、今回が最終回となります。まだまだ、彼女の魅力を汲みつくしたとはいえませんが、私の力のおよぶかぎりの報告はできたように感じています。
小泉今日子の生きかたをそっくりまねることは、当人以外の誰にも不可能。とはいえ、彼女が実践していることには、一般人にとって参考になる部分もたくさんあります。連載を振りかえる意味もかねて、「小泉今日子に学ぶ4か条」をここにまとめてみました(なお、この連載に加筆修正をした単行本『小泉今日子はなぜいつも旬なのか』には、「小泉今日子に学ぶ7か条」を掲げてあります。興味のある方はそちらもご参照ください)。
(1)「メタ認知」をできるようにする
「メタ認知」とは、「自分が今、何をやっているか客観的に見定めること」です。分野を問わず「成功者」のほとんどは、この「メタ認知」ができています。スポーツ選手なら、試合中のポジション取りをあやまらない、フォームの修正を自分でやれるといったこと。勤め人なら、組織のなかで浮かないでプロジェクトの進展に貢献するなど。それらを可能にする第一の条件は、「メタ認知する力」があるかどうかです。
小泉今日子は、子ども時代から「お母さんのお母さん」の役割を演じていたこともあって、「メタ認知」能力が抜群です。これが彼女の「先読み力」や「お客さん目線を想定する力」を支えています。
小泉今日子のような高度の「メタ認知」を獲得するうえで、特別な「素質」や「育ちかた」は必要ありません。後天的なトレーニングでも、その精度は上げられるといわれています。毎日、日記をつけて生活を振りかえるだけでも効果はあるそうです。
(更新 2015/10/ 8 )

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プロフィール
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助川 幸逸郎(すけがわ・こういちろう) 1967年生まれ。著述家・日本文学研究者。横浜市立大学・東海大学などで非常勤講師。文学、映画、ファッションといった多様なコンテンツを、斬新な切り口で相互に関わらせ、前例のないタイプの著述・講演活動を展開している。主な著書に『文学理論の冒険』(東海大学出版会)、『光源氏になってはいけない』『謎の村上春樹』(以上、プレジデント社)など |