第1397回 幸がいたからできた決断 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1397回 幸がいたからできた決断

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幸(山田さん提供)

幸(山田さん提供)

 2年前、以前から悪かった心臓病が再発して手術を受け、医師から無理をしないように言われたのに、職場の理解を得られず悩んでいた。そんな時、酷暑の続く夏の夕暮れに、まだ目も開かず歩くのもおぼつかない赤ちゃん猫が鳴いているのに出くわした。

 このままではカラスに狙われてしまうだろう。実はその5日前にも弱った赤ちゃん猫を保護したが、助けてやれず、今度生まれてきたら、もう少し早く出会おうなと手を合わせ、ペット葬祭業者に引き渡した。

 あの子猫がよみがえってきたのか。そんな偶然があるのか。悩んだ末、そのままにしておけず、一人暮らしの1Kの部屋に連れ帰った。
 
 名前は、亡き母が幸せを招くようにと当時の飼い猫につけた幸という名をもらうことにした。

 思いもよらない同居猫の出現に、不思議なことに悩みが吹っ切れ、何とかこの小さな命を守ってやろうという気持ちに切り替わった。

 最初は弱々しかった幸(写真、雌、2歳)も、何とか持ち直し、スクスクと育ってくれた。トイレもほとんど粗相をすることなくすぐに覚え、爪研ぎも爪研ぎ器でしかせず、まるで未熟な飼い主に気を使ってくれているのかと思うほどであった。

 35年以上勤めた職場もその年の年度末に退職する決断をし、今年は20年以上暮らしたマンションから、狭いながらも一軒家に引っ越した。たぶん幸がいなければ決断できなかったと思う。

 私が退職してから、ちょっとやんちゃになったけれど、それまでは遠慮してたのかな? これから先のことはどうなるかわからないが、お互いに元気に頑張って生きていこうな。

(山田広信さん/大阪府/56歳/無職)

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(更新 2020/11/ 5 )


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