ミユ(岩瀬さん提供)
ミユ(岩瀬さん提供)

 90歳を過ぎた義母は14歳の“娘”との2人暮らし。その娘というのは、小さなヨークシャーテリアで、名前をミユ(写真)という。

 ミユは私の妻の友人宅で生まれ、生後3カ月のときから義母と一緒に暮らすこととなった。曽孫もいる義母だが、ミユは義母の最後の子どもとして大切に育てられている。

 箱入り娘のミユは、義母のマンションから出ることもなく、家の中を元気に駆け回っていた。

 しかし、そのミユも人間の年齢でいうなら古稀を過ぎた高齢犬。義母は現在も老人クラブの要職につき、すこぶる元気なのに対し、ミユは最近衰えが目立つようになった。昨年からせきが止まらなくなり、息苦しさもある様子。小型犬が陥りやすい気管虚脱という病気が進行していたのだ。

 わが家は義母の家とはスープの冷めない距離にあり、ときどきミユを預からせてもらう。その折、夜中にミユのせきが止まらなくなり、以前わが家で飼っていた3匹のトイプードルがお世話になった動物病院に駆け込むこと3度。その度に、酸素室という箱に入って一命を取りとめた。

 このままでは生き続けられないとの診断で、昨年6月、気管虚脱の手術で有名な病院で手術を受け、ひと安心。

 ところが、その後急性膵炎に。かかりつけ病院の酸素室に1週間の入院──の予定だったが、箱入り娘は超わがまま娘でもあり、箱のような酸素室を嫌がり入院は1日しかもたなかった。

 それでも、1週間毎日皮下点滴に通い、元気を取り戻した。

 犬は人間の4倍のスピードで年を重ねていくという。義母が元気に年を重ねているのだから、ミユには義母の年齢に追いつき追い越すまで元気でいてほしいと願っている。

(岩瀬清さん 東京都/65歳/地方公務員)

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