プディ(左)とアロー(大島さん提供)
プディ(左)とアロー(大島さん提供)

 半年前の朝6時15分。スタンダードプードル(スタンプ)のアロー(写真右、1歳、雄)がベッド脇にきて私を起こした。もしやと思い、階下にいくと、同じスタンプのプディ(同左、12歳、雄)が横たわり息をしていない。

 ソファで寝ている娘を起こして、「プディ、だめみたい」と言うと、娘が「あら、5時までは元気だったのに」と言った。

 プディは2日前から起きなくなり、娘が居間で夜中も見守ることにしたのだが、今朝旅立ったのだ。

 プディが立ち上がれずにバタンバタンと音を立てたのは4月だった。後ろ脚に力がはいらず、フローリングの床で滑って立てない。骨折するといけないので毛布を敷いて寝かせ、ひとまず「ペットが滑らないワックス」を購入した。

 高齢犬であるから寝たきりになった場合の散歩や排泄がふと頭をよぎり、ネットで老犬のデイケアや預かり施設も調べた。

 プディはその日は寝ていたが、翌日は元気よく立ち上がり、食事も散歩も普通通りになり、一安心した。 しかし散歩はすぐ疲れて座り込むようになり、一度座ると気が向くまでテコでも動かない日が続いた。散歩で出会う近所の人たちはコンドロイチンを薦めてくれた。人間と同じなのだ。

 プディは賢い犬で、留守にすると、絶対に開けられないと保証付きの米国製のエサ入れも、口で取っ手をまわし、開けてしまった。引き出しを開けておやつを食べるのも得意だった。アローも最近は同じことをする。

 プディとは、庭のアジサイを飾ってお別れした。

 犬は10年以上生きる。アローとお別れするころ、私も80代になる。アローはわが家の最後の大型犬であることは間違いない。

 アロー君、老老介護でも15年は頑張ろうね。

(大島愼子さん 東京都/70歳/教員)

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