第1346回 やんちゃだった「そら」との12年 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1346回 やんちゃだった「そら」との12年

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 愛犬「そら」(写真、雌、12歳)との生活は12年。娘が県外で一人暮らしをしているときに寂しいからと飼い始め、二人(?)でわが家に帰ってきたのだった。

 当初は室内に犬の毛が飛び散るのが嫌で、ドアを閉めて私の部屋には来られないようにした。そらにしたら、意地悪ばあちゃんがいると思ったことだろう。

 その反動かオシッコを廊下でしたり、柱や畳を爪でガジガジにしたり、手に負えないいたずらが続いたが、娘と寝ているところを見ると愛らしい。人間を信じて安堵している寝姿に優しい気持ちが広がり、誰よりも大切な愛しい存在となった。

 一緒に眺めた四季折々の花や、ドッグランで思いっきり走るうれしそうな姿は目に焼き付いている。

 娘が嫁いだ後は、犬については初心者マークの私と二人で暮らし、この上なく楽しい日々だった。お互いに年齢を重ねて、脚力や思考力の低下は否めなかったが、そらは毎日の散歩をしっぽを振って待ってくれた。

 以前は、目を離すと自宅の前の国道に飛び出して、車の往来の激しさに覚悟したことも何度かあったが、優しい運転手さんたちのお陰で無事帰ってきてくれた。

 最近はやんちゃも減り、二人でのんびり仲良くと思っていた矢先、振戦の症状が表れ、肝硬変と診断された。そしてこの3月、あっという間に私の腕の中で空の彼方へ旅立った。もっと早く気付いていたらと悔やんでも悔やみきれず、涙が止まらない毎日が続いた。

 共に暮らした12年間にどれだけの癒やしや充実感、幸福感をもらったことだろう。最近、庭につくったお墓のそばで、可愛いピンク色の花を見つけた。「おばあちゃん、今までありがとう。もう悲しまないで」と、花の姿を借りて言っているよう。大事に大事に育てていくよ。

(桑畑安惠さん 宮崎県/75歳/主婦)

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(更新 2019/10/25 )


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