5匹+犬1匹と暮らす、猫バカな私。猫は全員、自ら保護した子たちだ。でも、はじめから猫バカだったわけではない。小さい頃から猫アレルギーで、猫だけは飼えないと思っていた。

 13年前の夏、私は犬の散歩中に幹線道路の脇でニャーニャーと鳴く子猫を見つけてしまった。道路をヨチヨチ歩く子猫を見捨てるわけにもいかず、自宅に連れて帰った。これが、ジル(写真、雌)との出会いだ。

 保護したものの、案の定アレルギー症状が出たので、飼ってくれそうな友人に片っ端から連絡をした。

 が、友人からは「犬2匹いるところに猫1匹増えても同じ」と諭された。情も移り、飼うことにした。

 半年間は猫アレルギーとの闘いだった。空気清浄機を購入し、掃除をマメにしても鼻が詰まり、寝るのもしんどかった。

「やっぱり無理かも」と思っていた翌年の初夏、花粉症の症状が治まると同時に猫アレルギーの症状が軽減していることに気づいた。どうやら克服したようだ。その後は、同じ部屋で寝ても症状が出ることはない。

 ジルはわが家になじみ、どこからか走ってきて犬たちに猫パンチをしたり、ケージの中にいる犬の手が届くか届かないかの絶妙な距離におもちゃを落として、犬が一生懸命手を伸ばしている姿を観察したり……。一番年下のくせに犬を小馬鹿にする態度がたまらなく可愛かった。犬とは違う賢さや可愛さ、すべてを教えてくれたのがジルだった。

 そんなジルももう13歳。3年前に迎え入れた後輩猫たちのことは受け入れられないようで、後輩たちが近づくとシャー!と威嚇して、プリプリ怒りながら自分の居場所でお昼寝をする日々。

 仲良くなるまではいかずとも、日々の刺激になってくれれば……という気持ちで見守っている。

(宮地正惠さん 神奈川/43歳/会社員)

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