わが家には、あご(写真中央、雄)、ふく(同右、雄)、ほたる(同左、雌)というキジトラが3匹います。

 9年前のある日、路上で立ちすくむ中年女性を見かけました。彼女の足元には子猫の姿が。乗っていた原付きバイクに接触してしまったというのです。私が代わりに子猫を動物病院に連れていったところ、「あごを骨折しているかもしれないけど、経過観察するしかない」と言われました。数日後、無事に回復したため、私が引き取ることにしました。この子があごです。

 飼い始めると1匹では寂しいだろうと思い、猫の譲渡会に行きました。そこで3きょうだいのうち1匹だけ譲渡先が決まり、2匹で身を寄せ合っている猫と出会います。きょうだいをさらに引き裂くのはかわいそうに思え、思い切って2匹引き取ることに。この子たちがふくとほたるです。

 3匹とも偶然キジトラで、あごとはおそらく約3カ月の月齢差で、すぐに仲良しに。3匹はほぼ一緒に過ごしていて、いつも私にすり寄ってきます。人懐っこくて全力で飛んでくるのはあご。ほたるも似たような感じですが、ふくは用心深いタイプで、2匹がいない時にこっそり甘えてきます。

 一度、あごとふくが玄関から脱走したことがありました。あごはすぐに戻ってきたのですが、ふくは帰ってきません。そこでペット専門探偵の助言を受け、ふくが使っていたトイレの砂入りのわなを仕掛けました。こうすると自分のにおいに安心して戻ってくるというのです。3日後、そのわなに入ったふくと遭遇することができました。

「絶対帰ってくる!」という確信はあったものの、ほっとしました。その後は脱走することなく、3匹寄り添って暮らしています。私も彼らなしの生活は考えられません!

(中村愛梨さん 東京都/35歳/パーソナルトレーナー)

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