昨年夏、夫が近所でミャーミャーと鳴いていた子を拾ってきました。

 わが家にはその時、トマトとセロリという2匹の兄弟猫がいました。2匹はおチビが来たことが相当不愉快だったらしく、トマトはたんすの上、セロリは机の下で固まっていました。

 そして、眉間にシワを寄せ、「コイツ誰? なんで俺たちがいるのにこんなの連れてくる?」と文句タラタラ……。

 数日後、トマトが鼻水をたらし、ゴハンも食べず、口でハァーハァーと苦しそうにし始めたので慌てて病院に連れていきました。

「風邪。ノラは風邪のウイルスを99%持ってるからうつされた。10歳以上だと死ぬ可能性もある」と言われビックリ仰天。

 一昨年、もう一匹の飼い猫をなくした私は、もうそんな思いはしたくないと思ったら、涙がポロポロ。

 先生はその様子に驚いて、「この子は何歳だ?」と聞きました。8歳と答えると、「まあ大丈夫だろう」。

 その言葉通り、点滴と注射で、5日後には元気になり安心しました。

 ギン(写真、雄)と名付けられた新入りは、まだ生後10カ月なのに体重5.6キロ。膝に乗られると重い。でも、ノラ出身とは思えないほど人が好きらしく、抱っこするとすごく甘えてくる。

 2匹の兄貴たちとも仲良くなり、お互いをなめ合う姿は、なにか私たち人間が忘れてしまったものを見せられているような気がしてならない。

 私の幸せは猫の幸せ。猫の幸せは私の幸せ。

 なにも言わないけれど、わかっている瞳。

 ギンは大食いなので、兄貴たちの分も食べてしまう。でもそれを許す2匹。やっぱり猫はスゴイ! 人間ならケンカになってしまう。

 毎日、猫から学ぶことがあり、楽しい日々です。

[高村晴美さん 北海道/61歳/主婦]

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