今年で5歳になるセキセイインコのPちゃん(写真、雌)です。

 3人の子どもが順番に県外へ進学したのを機に飼い始めました。当時は毛もまだ生えそろっておらず、餌を与えると、その分だけ胸のそのうがふくらみます。私の手の中でスヤスヤ寝る姿にメロメロになりました。

 夫は初めのうちは遠巻きに見ているだけでしたが、一度世話をしだすと私よりきめこまかく面倒をみるようになりました。

 Pちゃんは夫が大好きです。不思議なのは、Pちゃんが夫の帰りを察知すること。夫が玄関に入るかなり前から落ち着きがなくなり、ケージの壁や天井をはい回り、呼び鳴きを繰り返すのです。その後、放してもらうと、Pちゃんは夫の鼻の頭をなめたり甘がみしたり、服のファスナーをかじったりして愛情表現の限りを尽くします。

 そんなPちゃんが体調を崩しました。病院に連れていくと、手術も提案されましたが、都会の大きな病院に連れていかなくてはいけないこと、手術中にもしものことがあるかもしれないことなどを熟考して、薬で進行を抑えていく方法を選びました。

 インコは体の不調を隠す習性があるので、ちょっとしたしぐさに気づかないといけません。しかし、毎日体重測定をし、餌をどれだけ食べたかを確認し、飲み水に薬を溶かして与えるなど気に掛けて世話をしていると、今日は体調がいいなどの変化に気づけるようになってきます。しんどそうな時は可哀想で飼い主もつらくなります。

 そんなこんなで4カ月が過ぎますが、Pちゃんは現在も元気に部屋の中を飛び回っています。名前を呼べば肩まで優雅に羽ばたいてきてくれます。最後の最後まで愛情をたっぷり注いでいきたいと思っています。

[谷本照美さん 徳島県/53歳/主婦]

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