昨年5月に、13年間共に暮らしてきた愛犬を亡くした。

 同じく13年一緒に暮らしているチワワのヒカル(雄、写真中央)と夫婦+1匹で余生を送るはずだった。が、何とも寂しい……。1匹になって楽なのに物足りない、耐えられない。

 それで1カ月もしないうちに、2匹のチワワを相次いで迎え、茶色い雄をカイ(同右)、黒白の雌はリリ(同左、ともに1歳)と名付けた。定員オーバーなのだが、夫婦で一歩も譲らず、どちらか1匹にどうしても決められなかったのだ。

 特筆すべきは、初めての雌であるリリ。これがとんでもないおてんば娘だった。

 ソファにジャンプはお手のもので、車に乗せるとシートの背にはい上がり、お山の大将のごとく上から目線でご満悦。いつぞやは、前座席シートから目をむいて、後ろのシートに飛び移ったのには驚いた。

 あげく、車の中で粗相をして叱られても、一向に気にする様子もない。いいじゃん、いいじゃんとでも思っているのだろうか。

 あろうことか、一番年下なのに、2匹の雄の間を渡り歩き、バイクに乗るかのように、上に覆いかぶさり腰を振る。

 13歳のヒカルはいい迷惑だが、孫に馬乗りされて仕方ないじい様のようだ。さすがに最近は、いい加減にしろと抵抗しているが。

 まるで天衣無縫のJKのようなおてんば娘だが、夫が抱き上げると、パパ~とばかり、しなだれかかって甘える。まるで可愛くて憎めない娘のようだ。

 ヒカル、ごめんね。静かな余生を送らせてやれなくて。これも飼い主のわがままだ。カイとリリにとって初めての冬。ヒカルにとっては最後かもしれない冬だったが、日々慈しみ合い、みんなで楽しく暮らすことができたと思う。

(岡崎真矢子さん 大阪府/58歳/自営業)

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