第1256回 ネコスペシャル(1) 「とら」と独り者おっちゃんの日々 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1256回 ネコスペシャル(1) 「とら」と独り者おっちゃんの日々

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 お空に昇った「とら」(写真、雄)。その後どうしていますか。お別れしてから1年ですが、おっちゃんは「とら」のことが頭を離れません。

「とら」を初めて見たのは、近所の猫さんが何匹かの子猫を連れてわが家の前を通った折のこと。子猫の一匹を見て、あの子可愛いな欲しいなと、それまで猫を飼ったことがないおっちゃんが心底思ったのでした。

 わが家に来た日に、おっちゃんの手を思い切り噛んだ「とら」。いきなり知らない家に連れて来られ、怒ったのか、一日中押し入れに入った「とら」。気性が激しく、敵対する猫には徹底的に攻撃する「とら」。そんな「とら」をしかしいとおしく思うのでした。

「とら」と独り者のおっちゃんが暮らす日々は、葛藤と矛盾だらけの職場とは違い、幸せに満ちたものでした。業務を終え、帰宅するのが待ち遠しいほどだったのは知っていたのかな。

 帰宅すると、玄関で必ずお出迎えしてくれ、思わず笑みが漏れたものでした。

 何度かあったね。2階の窓からいつ帰るか、と外を眺めていた「とら」と窓を見上げたおっちゃんの目が合ったことが。

 人と違い、猫が老いるのは早いよね。知らないうちに「とら」は年老い、腎臓が悪くなったのでした。でも、19歳の長寿表彰まで受けたのだから20歳も夢ではない、とおっちゃんは思っていました。1年以上、毎日自宅で輸液を入れながら一生懸命、頑張ったよね。

 お別れのその日までお薬とミルクを飲んでくれて、19年と5カ月を懸命に生きた「とら」。お別れの時には、抱きしめたおっちゃんの目を見詰めたまま空に昇った「とら」。

 しばらくの間、おっちゃんはどうしているのかな、とお空から見ていてね。大好きな、大好きな「とら」。

(熊尾信行さん 大阪府/69歳/無職)

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(更新 2017/12/21 )


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