わが家は猫がいないときがないほど種々の猫を飼っていたが、黒猫は初めてだった。最初は誰かにあげればいいと考え、目を病んでいた雌の子猫を助けたつもりだった。しかし、飼っているうちに、その魅力にとりつかれてしまった。それどころか、こんな面白い猫はいないと驚嘆している。
名前はルーシー(3歳、写真)。かつて話題になった、猫が主人公の映画のタイトルから名付けた。
ルーシーを飼う前に黒猫の特徴を調べてみたら「仲間意識が強く、グループ行動が得意」とあった。
最初はその意味がよくわからなかったのだが、日ましに彼女の人懐っこさを痛切に感じ、同時に好奇心のかたまりそのものであることがわかってきた。
犬の散歩に行くと、どこまでも一緒について来る。しかも犬をなめたりしながらのハイキング気分だ。
また、外に出たがるくせに、10分もしないうちにすぐ「入れて」とニャーニャー鳴く。入れると、「ニャニャ」とお礼(?)を言うのも忘れない。
あるとき、とても驚いたことがあった。私の部屋にどうしても入りたかったらしく、自分の数倍もの高さにあるドアノブにハイジャンプで飛びつき、入ってくるのを目撃した。
賊が入ってきたかと思うほど大きな音をたて、ドアを押して入ってくる様は、完全に猫の域を超えていた。連日明け方に部屋に押し入り、寝ている顔をべろべろなめたりされると、眠気もふっとび、苦笑いを通り越して閉口する。
また、ルーシーはなぜか水に興味があり、お風呂に入っていると湯船に入りかけて人を慌てさせる。
わが家のおてんばルーシーの逸話はつきないが、これからもどのようなことを見せてくれるかは楽しみでもある。
(高橋義一さん 埼玉県/65歳/会社員)
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