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去年の暮れに撮ったこの写真、ふたりが、
「チャボさん、来年の干支(えと)はあなたね。犬の私はその次。チャボさんが11歳で私は10歳だけど、まだ現役よね、私たち。
お兄ちゃんは春に大学へ行っちゃうし、お父さんはあと少しで定年だって。おばあちゃんたちも80歳近いらしい。元気だけどね。
もうすぐお餅つきだって。イベントよね、あれは。私は竃(かまど)がちょっと苦手。鼻先が真っ黒になるの。おじいちゃんに来ちゃだめだって怒られるのよ。
いとこの猫のビョンちゃんは来るかしらね。お互いに年をとってもう遊ばないけど、子どものころは追いかけっこしたものよ。同じなの、生まれた年も月も。
なんかね、私たち動物はこの家の一族がピンチの時に癒やし担当で来ることになったらしいの。
でもさ、チャボさんの旦那さんは気の毒だったわね。ヘビにやられちゃって。チャボさんは何とかインフルに気を付けてね。私は食べすぎに気を付けるわ」
なーんて会話をしていることはないだろうけど……。
小学生のころの次男がよく頭にのっけていたミニチュア・ピンシャーの愛(写真右、雌)も、人間の年齢にすると50歳過ぎ。高3になった次男は、今でも学校から帰るとギュッと愛を抱きしめる。
先代の愛はチワワで、15年半も生きた。犬種の特性か、2代目の愛はせわしない。そのくせ独り遊びはできず、おばあちゃんの膝の上が安心とばかりに、マッサージ機に座っていようがお構いなしに飛び乗る。
そういう姿を見て、人は勝手に癒やされるのだ。悪くない共存関係を有史以来重ねてきたのが、こうした動物たちなのかもしれない。
あと数年で逝ってしまうであろう君たちに、心から感謝してるよ。ホントだよ。
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