70代の両親には可愛がっているがいます。黒白のブチ柄の雄猫、シロ(4歳、写真)です。
 庭先に来る三毛猫が産んだ3匹の子猫のうちの1匹です。母はなんとか3匹を保護してケージに入れ、人に慣れさせようとしました。
 最初は激しく威嚇していた子猫たち。そのうち、真っ先にケージの中で楽しく遊び始めたのがシロです。
 部屋に放すと他の2匹はおびえて物陰から出て来ませんでしたが、シロは部屋を探検し、母にも甘え、のびのびと過ごし始めました。
 結局2匹は全く慣れず、すきをついて逃亡。シロだけが飼い猫の道へ。
 その後、猫の譲渡会にも参加しましたが、シロは家の外ではおびえてしまい、無愛想なので里親は現れず、実家の猫になったのでした。
 以前は母に懐いていたシロですが、家猫になった途端、なぜか父にベッタリとなりました。
 父の部屋でシロも一日過ごしているので、父が好きな時代劇と演歌が好きになったようです。演歌が流れると尻尾をフリフリしてテレビ画面を見ています。
 母には、朝ごはんをもらうとき以外はドライな対応で、母はかなり寂しがっています。
 シロの楽しみは散歩です。父にリードを付けてもらい、庭先を歩くのです。
 庭には鳥もやって来ます。ほとんどがスズメですが、ハトも1羽来るようになりました。ハトはシロがつながれているのを知っているのか、シロの周りを平気で歩きます。シロはハトに近付きたがっていましたが、父が制していました。
 ある日、シロは父のすきをつき、ついにハトに襲いかかりました。ハトは驚いて飛び去り、それ以来、実家の庭に現れません。
 ハトが来なくなり、なんだかつまらなそうなシロです。

(和田敦子さん 神奈川県/42歳/主婦)

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