第1129回 便の始末気にする悪戯っ子ラン 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1129回 便の始末気にする悪戯っ子ラン

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 広島の実家にいるランは、この春2歳の誕生日を迎えた。雑種の雌犬で、動物愛護センターからやってきた。元気いっぱいで、好奇心旺盛、悪さが大好きだ。
 生後半年の秋の夜、実家の裏山でイノシシに襲われた。脚4本と肩甲骨を骨折、脱臼と外傷も負った。夜間救急動物病院で応急処置、翌朝からかかりつけの病院に1カ月入院した。
 退院直後は、走ることも階段を上がることもできなかった。ストレスからか、包帯、敷物、犬小屋まで、かじれるものは何でもかじっていた。ただかじるだけでなく、のみ込んでいるので始末が悪い。消化されないので便秘の原因になる。力んでも、便が肛門から3センチくらい出たまま排泄が完了しないこともしばしば。家族が引っ張り出したこともある。排便の観察は今も重要な確認事項だ。
 リハビリのため、漁港近くの砂浜に連れていくと、いつの間にか何かくわえていた。漁師さんによると、干からびたフグだった。一命をとりとめたばかりなのに油断できない。
 今ではすっかり元気になって、帰省すると散歩をせがむ。お気に入りは山頂広場までの登山コース。うれしそうに駆け登る。ドングリを見つけると、ガリガリかじる。庭に放してもらって独り遊びに飽きると、かまってくれ、とじゃれついてくる。熊手で掃いていると、柄にかみついて掃除の邪魔をする(写真)。絶対に放そうとしない。
 そんなランにも賢いところがある。庭や畑で大便をしたら、ここでやりました、と後で家族を誘導する。自分の遊び場の後片付けをしっかりと要求するのだ。
 入院中も便意を催したら、必ず吠えてサインを出していたらしい。素晴らしい出口管理だが、入り口の悪食を直すと、もっと素敵なレディーになれる。

(藤田豊明さん 東京都/46歳/塾講師)

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(更新 2015/6/11 )


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