毎日、朝からチョコの石けり遊びが始まります。チョコは独り遊びが上手なトイプードルの女の子です。彼女は片手で器用に石を転がしながら部屋の中を駆け回って、疲れるとペタリと座ってひと休み。そういう体のコントロールが自分でできるのです。
 チョコが石に興味を持ったきっかけは、おじいさん(夫)が晩酌中にテーブルの上に置いていたはし置きでした。グリーンでソラマメの形をしたそれは、チョコが口にくわえるのにちょうどよい大きさでした。
 ソラマメのはし置きが気に入ったチョコは、いつの間にか石にも目をつけるようになり、庭に出ると、きょろきょろと石探しをするようになりました。それからというもの、散歩中、親戚の家、墓参りと、連れていく先々で夢中で石を探すようになったのです。
 石のコレクションはたくさんありますが(写真)、その日おめがねにかなうのは一つだけ。目下、神社の境内で見つけた透明な石が一番のお気に入りで、赤ちゃんのおしゃぶりのように口にくわえたまま眠っています。その格好は、ただ可愛いの一言に尽きます。
 活発、利発なチョコですが、1歳になった年の5月に一大事が持ちあがりました。私がチョコの右目の異変に気付き、お医者様に見ていただいたところ、若年性白内障と診断されました。
 青天の霹靂とはこのことです。他のお医者様の意見を求めると、3人目の先生が、「大丈夫ですよ、左目が見えているのですから」と、1日3回の点眼薬を出してくれました。
 生後4カ月で私たち老夫婦の元に来たチョコも、満6歳の誕生日を迎えました。この先、いつまで共に過ごせるかは神のみぞ知るです。ただ、一日でも長くチョコと過ごせたらラッキーと思っています。

(石坂澄子さん 長野県/83歳/主婦)

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