わが家の3人の娘と妻は大の愛猫家である。当初私は、シッポも振らず、お手もお座りもしない猫とは相性が合わない気がして、なんだかなじめなかった。しかし、ビビを飼っているうちに猫の気持ちが少し理解できるようになった。
写真は右が大吾(ダイゴ)で3歳くらい、左がビビで9歳くらい。共に雄猫である。ビビは中年猫で、おなかが出てきた。ダイゴはスリムな体形である。
ダイゴは銀座に捨てられていたのをボランティアによって保護された。警戒心が強かったが、長女が自分の部屋で付きっきりで優しく世話をした。長女がソファで横になるとおなかの上に乗ったり、甘えた声で散歩の要求をしたりする。
片やビビは、沖縄にいるとき知り合いからもらった。私たちの移動に伴い、千葉に連れてきた。お山の大将だったビビは、ダイゴが来てからは“シャー”の連続だった。シッポを大きく膨らませてダイゴを追い掛けたり、上に乗って威嚇したりしていたが、最近はややおとなしくなった。
2匹の共通点は、いたるところに爪をたてて引っかくこと。ソファやイスのレザー、壁紙、ふすまは傷だらけである。
ビビの好物はトウモロコシ、枝豆、お肉、あんこなど、ややおじさん的で、夕食を食べる私の横に座り、おねだりする。娘たちに気付かれないよう、こっそりとつまみをあげる。一方、ダイゴの好物は魚類や鰹節。魚の開きなどを焼くと、2階から急いで下りてくる。
共働きの妻は帰宅するとすぐにビビとダイゴの名を呼び、お姫さまのような優しい声で彼らに話しかける。私もそんなふうに話しかけてもらいたいと思うこともある──。
ビビとダイゴがいるお陰で、家族のみんなが和むことが多い毎日である。
(山口和彦さん 千葉県/61歳/理学療法士)
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