わが家の周辺は田舎の里山で居心地がいいのか、雌の野良犬が2匹すみ着いていて、子どもを産みます。
 ご飯がない、家がない、天敵のイノシシはいるで、野良犬の子育ては大変。そんな中、おなかをすかせ、単身、畑のごみあさりにやってきた子犬を、運よく(?)捕まえました。
 名前はモモ。彼女は初めて見る人間が怖くて怖くてたまらなかったのでしょう。捕まえて抱き上げるなり脱糞、頭をなでると失禁、私の腕の中で震えていました。
 さあ、そこからが大変でした。親犬が子どもを捜しにわが家へ。
 見つからないように子犬を倉庫に隠しましたが、においまでは隠せない。親犬が連日連夜、倉庫の入り口で吠えていましたが、30日も過ぎると諦めたようでした。ただ、30日間倉庫に入れっ放しだったためか、屋外の犬小屋に移すと、怖がって奥へ奥へと逃げ込みました。そして、飼い犬としては最悪の結果になりました。そう、飼い主に懐かない犬になったのです。
 2年が過ぎても一向に慣れず、ご飯をあげても、おやつをあげても、私たちが見ていると食べない。体に触ろうとすると失禁。獣医さんに連れていくため車に乗せると脱糞……。
 そんなビビりの半野良ですが、家族の一員です。
 モモ様は犬小屋をこよなく愛し、何かあると犬小屋に逃げ込みます。首輪が壊れて脱走したときも、追いかけたら犬小屋に飛び込みました。ここにいれば安全と思うのか、ご飯が保障されていると思うのか……。
 今日もおいしいご飯を犬小屋の前に置いて、早々と退散する私です。
 これって、周りに媚びないエリカ様に似てないかしら? わが家のモモ様、エリカ様に負けず劣らす、美人です(写真)。これぞまさしくペットばか……。

(広島県/46歳/主婦)

【原稿募集中!】
「犬ばかばかペットばか」では、みなさまからの原稿をお待ちしております。
原稿は800文字程度で、ペットのお写真を添付のうえ、下記メールアドレスまでご送付下さい。
必ず名前、住所、年齢、職業、電話番号のご記入をお願い致します。

尚、掲載は本コーナーと「週刊朝日」の誌面となります。謝礼は6千円。
mypet@asahi.com
※著作権は本社に帰属します