「福」と書いて「ふっく」というのが私の愛の名前です。彼女は捨て猫だったらしく、知り合いの家に迷い込んできたのを私が飼うことになりました。
 ふっくをわが家に初めて連れてきた日、彼女は私の首の周りに巻きついてのどを鳴らし、飼ってくださいね、という彼女なりの挨拶をしてくれました。
 あれから1年半がたち、生後2カ月だったふっくはすっかりお転婆な娘へと変貌しております。
 ふっくは毎日、車で私と一緒に出勤します。個人経営の職場なので、トイレ完備の彼女専用のスペースをもらい、昼間はそこで過ごしています。
 職場への行き帰りでは、車の窓から顔をちょこんと出し、風を切るのが大好き(写真)。彼女は猫ではなく、犬ではないのか?と思うことが多々あります。
 家では、私の後を追いかけてきて、抜かしざまに私の足に飛び蹴りをし、振り返って、へへん!!というドヤ顔をします。トイレの後はすっきりするのか、掃除しろ!という合図なのか、部屋中をかけずり回ります。
 飼い始めたばかりのころはよくおなかをこわし、病院で魚アレルギーと診断されたこともありました。
 一時は、ドライフードも魚が一切含まれていないものにこだわっていましたが、あまり神経質になりすぎてもいけないと思い、徐々に魚が入っているものもあげるようにしました。今では問題なく食べています。
 というわけで、長い間ささ身が好物だと思っていましたが、実はカツオが大好物。知らなくてゴメン。
 子猫のころに母猫やきょうだいたちと離れ離れになり、独りぼっちで生き延びた彼女の過去を思うと頭が下がります。ふっく、いつも癒やしてくれてありがとう。そして、これからもよろしく。

(松田香織さん 岐阜県/39歳/会社員)

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