チャイ(写真、雌)は4歳。わが家で3代目のパグ犬である。3年前に大型スーパーのペットショップで、バレンタインセールとして特価になっていた。
3週間ほど後に行くとまだ売れ残っており、値段も下がっていた。このまま日がたつとどうなるのか心配になり、その場で購入した。すでに生後7カ月で、成犬に近かった。
わが家には他にスタンダードプードルが2頭いるので、チャイは彼らとじゃれ合って生活してきた。
この2月、チャイの右脚がもつれて様子がおかしくなった。近所の獣医さんに診てもらうと、捻挫かもしれないと薬をくれた。ところがその夜、チャイはよだれを流しながら軽い痙攣を起こした。体も冷たい。慌てて動物救急病院に入院させると、「パグ脳炎」の可能性があるからとMRI検査を勧められた。
検査の結果は、やはりパグ脳炎だった。聞きなれない病名だが、パグに多く、脳が壊死していくので完治はしない。進行を薬で止める努力をするだけである。
発作で短命に終わる場合もあり、薬が合えば何年か生きることもあるという。
脳が壊れるということは、徐々に運動機能や記憶がなくなっていくのだろうが、わが家ではいつも通りの生活をさせることに決めた。
ただ、ベッドやソファに以前のように飛び乗れなくなったので、夜はケージで寝させる。徘徊して階段から落ちるといったことがあるかもしれないからだ。
食欲は旺盛。お座りも、お手も覚えている。天気のいい日は庭で存分に遊んでいる。名前を呼ぶと一目散に戻ってくるので、記憶もあるようだ。痛みがあるわけではないので、当人は幸せなのかもしれない。
先代のパグたちは、それぞれ15年の天寿を全うした。チャイも頑張ろう。
(大島愼子さん 東京都/64歳/大学教員)
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