第45回 家族だけど、あえて関わらない

大谷由里子
 ある時、うちの母がわたしの弟である長男たち家族に言ったらしい。

「あんまり、関わってうっとうしがられるのはイヤだから、できるだけあんたたちに関わらないようにするね」

 それを聞いた長男は、母を怒った。

「関わるから家族になるわけで、関わっていたら、お互いイヤなこともあるかもしれないけれど、そうやって、家族になっていくわけだろ」

 その言葉を言われて、母はとってもうれしかったらしく、よくその話をわたしにしてくれた。

 とはいえ、もちろん関わるということは、いいことばかりでもない。

 毎日、いろんなことが起きる。

「ほんまに、はっきりしてるわ」と母が言うから、どんなことかと思ったら、お中元をもらったときのこと。

 全部並べて、「好きなものを持っていっていいよ」と長男の嫁に言うと、高価なものやめずらしてものだけ選んだそう。

「お茶もいっぱいあるよ」と言うと、「お茶は、いいです」との返事。

 それを聞いたわたしは、思わず言った。

「はっきりしてていいやん。いらんもの押し付けられても困るやん」

「そのとおりやね」

 と母も笑っていた。

 そんな長男の嫁も次男の嫁も、わたしの父の介護は、実の娘のわたしよりもはるかによくしてくれた。

 わたしは、感謝しかない。

 年月が人を変えることもある。

 結婚当初からお正月になると、長男も次男も嫁の実家に帰っていた。

 最初は、母も少し寂しかったかもしれない。

 でも、「そんなことを気にしていると思われたくない」と、母は大晦日からホテルをとって、正月はホテルで友人たちと過ごす。

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