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第33回 「受け止める」ということ文・大谷由里子 |

心理学を学ぶと、必ず出てくる言葉。
「受け止めた時から、模索が始まって、やる気が出てきます」
人は、事件が起きた時、驚愕する。そして、その驚愕は、「怒り」や「悲しみ」に変わる。けれど、それらを受け止めた時から人の感情は変化していく。
わたしの友人は、彼に二股をかけられた。彼を責めたら、彼は、別の女性を選んだ。
「別れよう」と、言われた。
「なんでわたしが捨てられるの」
怒りと悲しみでいっぱいになった。
どうしてもあきらめきれず、泣いてばかりいた。
でも、彼が結婚すると知った時に、やっと受け止めた。
「わたし、捨てられたんだ」
「もう、元に戻ることはないんだ」
その日から模索が始まった。
「どうしたら、忘れられるだろう」
「どうしたら、気分が変わるだろう」
そして、今まで参加したこともない勉強会やセミナーに出るようになった。
そこでは、今までと違う人たちと出会うようになった。
「わたしも何か資格を取ってみよう」
心理学なども勉強した。
そして、勉強会仲間と恋愛。めでたく、できちゃった婚。
今は、とっても幸せにしている。
わたしの知人の経営者の女性がガンになった。
彼女は、それを受け止められなかった。
「どうして、わたしがガンにならなきゃいけないの」
「わたしの気持ちなんて誰にもわからない」
と、あちこちで荒れた言動を繰り返した。
(更新 2015/10/ 6 )

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プロフィール
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大谷由里子(おおたに・ゆりこ) 1963年奈良県生まれ。京都ノートルダム女子大学を卒業後、吉本興業に入社。故・横山やすし氏のマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし注目を集める。2003年、研修会社の志縁塾を設立。「笑い」を取り入れた「人材育成研修」は、NHKスペシャルなど多くのメディアで話題となっている。 現在は、年間300を超える講演・研修をプロデュース中。主な著書に『仕事で大事なルールは吉本興業で学んだ』(こう書房)、『はじめて講師を頼まれたら読む本』(中経出版)など多数。 |