第23回 井戸端会議は人を元気にする

大谷由里子
 話すことで元気になって行く人は、多い。たとえば、女性たちの会話。

 まったくかみ合っていない。みんな好き勝手なことを話している。

 でも、最後には、みんな笑顔になっていたりする。

「楽しかったわ。またね」

 と、言って別れる。

 わたしの母親たちの会話も本当にそう。

 実際に見たわたしの母と友人たちの会話。

「嫁の悪口を言わないようにしているの」

「そういえば、最近、ゴミの日以外にゴミ出す人いるよね」

「そうそう。来週、医院に行かないとダメだわ」

「どこか悪いの? わたしは、マジック教室に行かなきゃ」

「そういえば、タレントの◯◯さん、癌らしいよ」

「記者会見見たわ。まだ若いのに。そういえば、最近、歯にガタきてるのよね」

「死んだときのこともそろそろ考えておかなきゃ」

 かみ合っているのか、いないのか、まったくわからない。

 でも、みんな笑顔で楽しそうに話をしている。

 ところで、わたしは、講演をする人のために「講師塾」を開催している。

 もともと人前で話をする人のための勉強の場だったけれど、経営者、主婦、OLなどいろんな人が参加する。

 そして、参加者みんなが、

「なんか、スッとしたわ」

「頭の中、まとまったわ」

 そう言って帰っていく。

 ある日、参加者のビジネスマンのひとりに言われた。

「これ、セラピー効果があるかも……」

 そんなこと考えたこともなかった。

 ただ、思い当たるふしはあった。

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