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第20回 終わりを意識する文・大谷由里子 |

「もうすぐ定年です」
「この仕事もこれが最後です」
そんな言葉、20代、30代の時には想像もしなかった。
わたしだけじゃない。わたしの周囲の人からもそんな言葉を想像もできなかった。
でも、最近は違う。これらの言葉は、とっても身近になった。
そして、仲間と飲んでいても、これらの言葉が飛び交うようになった。
「僕たちも、あと数年で定年だよなあ」
「このビルが建つ頃には、もう会社にいないんだよなあ」
なんとなく寂しいけれど、それも事実。何よりも、
「いつまで生きられるのだろう」
と、いう話になる時、「終わり」を否応なく意識させられる。
40歳を超えた時、仲間のひとりが言った。
「30歳の時、40歳を想像できなかったけれど、40歳って、50歳が想像できるよなあ」
みんなうなずいた。
「なんでだろう」
と、思った。
すると、他の仲間で言った。
「マラソンをしているとわかるよ。折り返したら、距離がわかるからだよ」
みんな納得した。
(更新 2015/6/30 )

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プロフィール
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大谷由里子(おおたに・ゆりこ) 1963年奈良県生まれ。京都ノートルダム女子大学を卒業後、吉本興業に入社。故・横山やすし氏のマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし注目を集める。2003年、研修会社の志縁塾を設立。「笑い」を取り入れた「人材育成研修」は、NHKスペシャルなど多くのメディアで話題となっている。 現在は、年間300を超える講演・研修をプロデュース中。主な著書に『仕事で大事なルールは吉本興業で学んだ』(こう書房)、『はじめて講師を頼まれたら読む本』(中経出版)など多数。 |
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