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第10回 メロドラマは女を元気にする

文・大谷由里子

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マンガ/上大岡トメ

マンガ/上大岡トメ

 かつて、わたしの祖母は、昼のメロドラマにはまっていた。

 だいたい、男と女のスレ違いの連続。そんなドラマを見て祖母は、

「あかん、あかん、その人に騙されている」

「そっちに行ったら、会われへん」

 とにかくうるさかった。

 小学生だったわたしは、

「なんで、こんなものを見ているんだろう」

 不思議だった。

 でも、祖母の隣で見ていた。

 そして、母は、

「そんなものを由里子に見せないでよ」

 と、祖母を怒りながら、自分も見ていた。

 そんな母もわたしが高校生の頃には、昼メロにすっかりはまっていた。

 その頃、学校があるわたしは、テストの期間中や休みの期間中しか、そんなドラマを見ることがなかったけれど、

「こんな話あるわけないわ」

「この二人どうなるんだろう」

 と母は、うるさかった。

 たまにそんな母を見て、あきれていた。

 けれど、わたしも専業主婦時代は、やっぱり見た。

 そして、近所の主婦メンバーと話題にした。

 もちろん、メロドラマは、昼だけじゃない。

 夕方も夜も似たようなドラマができて、完全にはまっていた。

 それどころか、とっくに自分が通り過ぎた年齢でも、自分のことのように興奮した。

 自分と同年代のものには、もっとはまった。

「AGE 35」というドラマ、35歳の主婦が元カレと不倫をする話。

 幼稚園でお母さんたちは、その話題でもちきりだった。

「やっぱり、椎名桔平カッコいいよね」

「わたしも、誰が迎えにきてくれないかなあ」

「あかん、あかん、もう服脱げないわ」

 そんな話で、近所の喫茶店で盛り上がった。

 そして、ある時に気づいた。メロドラマは、人を元気にするということに。


(更新 2015/4/14 )


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プロフィール

大谷由里子(おおたに・ゆりこ)

 1963年奈良県生まれ。京都ノートルダム女子大学を卒業後、吉本興業に入社。故・横山やすし氏のマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし注目を集める。2003年、研修会社の志縁塾を設立。「笑い」を取り入れた「人材育成研修」は、NHKスペシャルなど多くのメディアで話題となっている。 現在は、年間300を超える講演・研修をプロデュース中。主な著書に『仕事で大事なルールは吉本興業で学んだ』(こう書房)、『はじめて講師を頼まれたら読む本』(中経出版)など多数。

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