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第9回 「わかる」と「楽しい」

文・大谷由里子

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マンガ/上大岡トメ

マンガ/上大岡トメ

「わかりません」

 という言葉は思考を停止させる。

 何よりも、人は、年齢を重ねると、「わかるから楽しい!」と、いうことを忘れてしまう。

 子どものころは、あんなに「なぜ?」を連発して、わかろうとしたのに。

 わからなかったことがわかったときの、あのワクワク感を再び思い出したい。

 だからわたしは、「わからない」という言葉を使わない。

 友人と話していると、よく「今の若い子がわからない」などという話になる。

 そんなとき、わたしは聞き返す。

「なんでそう思うの?」

 若い子の話には意外な発見があるから「わからない」ですませたくない。

 たとえば、友人の女性の話。

「先日、部下に『◯◯に食事に行こう』って誘ったら、彼、携帯で調べて『その店、食べログで2.8ですよ』なんて言葉が返ってきたの。なんで、盛り上がっているのに水を差すようなことを言うのよ」

 と、怒っていた。

 そういえば、そんな話をよく聞く。

「なんでだろう?」

 好奇心をもち、まわりの20代に話をきき、その理由を探ってみた。

 そしてわかったこと。

 いまの20代は、生まれた時から携帯電話もパソコンもある。

 比較検討がとっても得意。そして、なんでも比較する。

 でも、なぜ、そんなに比較するのだろう。

 そう思って探ってみたら、

「だって、その店に行ってから嫌な思いをしたくないじゃないですか」

 という話になった。なるほど。

 上司は、その店がいいと思っているけれど、行ってみたら、まずいかもしれない。従業員の態度が悪いかもしれない。

 行ってから失敗したくないから、先に調べる。

 そんな行動パターンが“わかる”と楽しい。


(更新 2015/4/ 7 )


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プロフィール

大谷由里子(おおたに・ゆりこ)

 1963年奈良県生まれ。京都ノートルダム女子大学を卒業後、吉本興業に入社。故・横山やすし氏のマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし注目を集める。2003年、研修会社の志縁塾を設立。「笑い」を取り入れた「人材育成研修」は、NHKスペシャルなど多くのメディアで話題となっている。 現在は、年間300を超える講演・研修をプロデュース中。主な著書に『仕事で大事なルールは吉本興業で学んだ』(こう書房)、『はじめて講師を頼まれたら読む本』(中経出版)など多数。

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