歌の闇鍋状態?! 稽古佳境の『ZIPANG PUNK』 |AERA dot. (アエラドット)

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歌の闇鍋状態?! 稽古佳境の『ZIPANG PUNK』

文・中島かずき

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 週末に、『ZIPANG PUNK -五右衛門ロックⅢ-』の通し稽古を見てきました。
 想像以上に歌が多いです。
『五右衛門ロック』シリーズは、生バンドが入る音楽活劇というテイストなので、いつも歌はあるのですが、今回はシリーズで最多かもしれない。
 しかも、キャストのみなさん、歌がうまいです。
 まあ、音楽劇なので歌える役者さんをキャスティングしているわけですから、「みなさん、歌がうまいです」なんてわざわざ言うのもおかしな話かもしれませんが。
 うまいというか、それぞれ経験が違うので、歌う時の個性が違って面白いと言えばいいのかな。
 高橋由美子さんや浦井健治くん、村井国夫さんなどは東宝ミュージカルの出演も多く、明瞭に朗々と歌い上げるスタイル。
 三浦春馬くんは、舞台出演はこれで三度目。今まで出演した地球ゴージャスでも歌は披露しています。蒼井優さんもミュージカル『アニー』の出身。テレビや映画だとあまりそういうイメージはないでしょうが、実は二人とも良い声をしています。素直な歌声が新鮮です。
 古田新太、橋本じゅん、高田聖子など劇団員は、言い方には語弊があるかも知れませんが我流の極地ですね。ずっと新感線でやってきたから、新感線という表現の中で歌う歌い方は心得ている。
 それが渾然一体となっているので、歌だけでもいろいろな味わいがあり、面白いです。
 もちろん、作詞作曲がそれぞれの個性をよくわかっている。
 演出のいのうえひでのりが考えた曲のイメージを具現化する、作詞の森雪之丞さんと作曲の岡崎司さんの職人芸にも感心させられます。
 次に何が出て来るかわからない歌の闇鍋状態。
 特に、素っ頓狂なキャラクターが次々に登場する一幕は、その印象が強いです。

 いよいよキャストスタッフとも劇場に入ります。
 これに衣裳や照明や舞台装置が加わると、どれだけにぎやかな舞台になるか。
 年末から新春にかけての興行にふさわしい、楽しい芝居になりそうです。
 
 そういえば、一月には『髑髏城の七人』のゲキシネが始まります。
 去年の夏、上演した、小栗旬くん、森山未來くん、早乙女太一くんなどが出演した通称『ワカドクロ』がやっとスクリーンにかかります。
 また、関東地方だけですが、アニメ『天元突破グレンラガン』が再放送されます。初放送からもう五年も経つのですね。早いものです。
 1月前半なら、『ウィザード×フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』も、まだ上映中でしょうから、来年早々は、近年の仕事総ざらえといってもいいくらい、いろいろと重なりそうです。
 でもまあ、作品が発表されているということは、脚本という僕の仕事はとっくのとうに終わっているということ。
 こちらは、その先の仕事をこなしていかないといけないのですけどね。


(更新 2012/12/13 )


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中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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