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笑顔と涙のフォーゼファイナルイベント

文・中島かずき

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 先週の週末はイベント三昧でした。
 9/8(土)と9/9(日)の二日間、中野サンプラザホールで『仮面ライダーフォーゼ』のファイナルイベントが行われました。一日三回の公演です。 
 どちらも最終回を観に行くつもりで予定を入れていたのですが、9/8の深夜に『アベンジャーズ』のオールナイトトークイベントのゲストが決まりました。
 土曜の夜に『フォーゼ』のイベントを見て、そのあと徹夜でアメコミトークして、徹夜で帰って仮眠を取ったら、『フォーゼ』のファイナルイベントの本当の最終回に出かける。
 楽しいと言えば相当楽しい週末ですが、気がかりなのは仕事。
 このスケジュールだと土日に仕事をするのはかなり厳しい。ちょうど劇団☆新感線の冬の新作『ZIPANG PUNK -五右衛門ロックIII。-』の脚本の追い込みだったので、これを残したままだと気持ちが悪いなあと思っていました。
 二三日前までは、週末までにはあがらなさそうで、新感線の制作の方に「ちょっと厳しいかも」と弱音を吐いていたのですが、なんとかラストスパートが効いて、土曜日の朝にアップすることが出来ました。
 これで心置きなく二日間、イベント脳にできます。

『フォーゼ』のファイナルイベントは、第一部のキャラクターショーと第二部のキャストトークショーの二部構成。
 キャラクターショーというのは、よく遊園地などでやっている、ストーリー仕立てで仮面ライダーと怪人が戦うライブショーですね。
 ただ、今回はテレビ本編でも書いていた三条陸さんが脚本を書かれている上に、テレビに出演していた役者も登場するという本格的な作り。
 物語も、テレビの最終回の後日談としてしっかり書かれていました。
 しかもクライマックスでは、僕もテレビ本編でやりたかった、「仮面ライダー部もフォーゼに変身する」というアイディアをやられていて、「ああ、同じ事を考えていたんだなあ」と感じ入りました。
 テレビでは色んな事情で無理だったのですが、確かにイベントなら色々な意味で実現可能だったのですね。
 
 第二部のキャストトークショーは、最終日は風城美羽役の坂田梨香子さんがスケジュールの都合で参加できない予定でした。
 でも、なんとか最終回のトークショーだけはスケジュールが調整できて出演できました。
 彼女が駆けつけたというアナウンスを司会の方が告げた途端、場内は「うおおお」という大歓声。
 これは本人も嬉しかったでしょうね。
 実は、前日の土曜日、楽屋で僕と「明日参加できないのが残念です」と話している最中に、なんとか明日の最終回だけは出演できそうだという連絡が来たのです。
 その時の彼女の喜びようも見ていたので、このお客さんの歓声にきっと感激しているであろう坂田さんを想像すると、こちらまで目頭が熱くなりました。
 実際、登場の時からかなり泣いていましたしね。
 彼女だけでなく、他のキャストも最後の挨拶では号泣していました。
 でも『仮面ライダー』という現場は、つくづく幸せだと思います。
 テレビだったら、クランクアップで終わり。そのあと、キャストやスタッフの打ち上げはあるにせよ、実際に応援してくれたお客さんに最後の挨拶をする機会はまずありません。
 でも、今の『仮面ライダー』シリーズは、放映終了後、ファイナルイベントがあって、お客さんに最後の挨拶が出来る。一緒にやってきたキャストと一緒に「どうもありがとう」と目の前に集まってくれたファンのみなさんに言葉が投げられる。
 普通のテレビドラマではこうはいきません。

 最終日の最終回が終わった楽屋は、まさに謝恩会のように記念撮影の嵐。
 主役の福士蒼汰くんが、リーゼントに短ランという自分の姿を指して「この衣裳も今日が最後です」と感慨深げに言っていたのが印象的でした。
 彼は来年のNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』に出演が決まったようです。
 脚本の宮藤官九郎くんは、僕もよく知っているし、半年ほど前あった時には「『フォーゼ』見てますよ」と言っていたくらい。
 これも面白い縁です。
 
 楽屋でみなさんに挨拶をすませて、一足先に会場を出ると、改めて「終わったんだなあ」という気分になりました。
 テレビの最終回をリアルタイムで見た時も、翌週『仮面ライダーウィザード』が始まったときにも終わった感はあったのですが、そのどちらよりも寂しさは強い。
 ずっと舞台をやってきていたので、こういうライブイベントが終わった時の方が、より終わったと感じやすいのかもしれないなあと思いながら、家路につきました。


(更新 2012/9/13 )


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プロフィール

中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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