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フォーゼグラスで金環食

文・中島かずき

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前回、『シレンとラギ』の大阪公演が終わったことを書いたと思ったら、もう東京初日です。
 一週間が経つのが本当に早い。
 その間何をしていたかというと、ずっと仕事していたわけですが。
 今は『仮面ライダーフォーゼ』のシナリオが佳境です。
 その他に進めている新企画と、劇団☆新感線の新作『五右衛門ロックⅢ』の準備を同時進行でやっています。
 終局に向かうもの、新たに始まるものが交差して、気持ちの切り替えがなかなか難しいですね。

 ずっとデスクワークをしている毎日なのですが、そんな中、楽しみにしていたのが5/21の金環日食です。
 朝の7時半頃が一番のピークだというので、迷わず徹夜で仕事しながら待機していました。よくないなと思いながらも、今は完全な夜型です。夜中机に向かっていて――本当は原稿を書いていてと言いたいのですが、なかなかそうはいかないのですね。机に向かっていても、無為に時間を過ごしてしまうこともままあります。なので夜中机に向かって、寝るのはだいたい朝の6時か7時。
 ですので7時半くらいなら、いつものペースで仕事をしながら待っていた方が慣れぬ早起きをするよりも確実だなと思ったのです。
 日食観察用のサングラスも、せっかくだからと仮面ライダーフォーゼのものを用意しました。これなら、当日天候が悪くて日食が観測出来なくても話の種になり無駄にはならないぞ。そう思ってホクホクと買ってきたのですが、でも、いけませんね。こういう貧乏根性は。
 天気もなんとかいけそうで、「よし観察するぞ」と思ってから気がついた。
 このフォーゼのサングラス、サングラスとは名ばかりで殆どお面状態なんです。
 ベランダから見るつもりだったのですが、確認してみるとどうもそこからだとよく見えない感じがする。家の前の道路に出た方が確実そうだ。
 でも、いい歳をしたおっさんが、フォーゼのお面で空を見上げる姿はいかがなものか。こりゃ相当恥ずかしいぞ。
 一応どんな感じになるか自分撮りしてみました。


 これはまずい。
 かなり怪しい。
 念のためツイッターにこの写真を上げると、案の定「怪しい人だ」という感想が並びました。
 ご近所に訝しがられ、通学途中の小学生に笑われながら観察するかどうするか、相当迷ったのですが、幸いというかなんというか、東京では、雲を通して裸眼でも大丈夫なくらいの光量で金環食が観察出来ました。
 晴天ではっきりというのもよかったのですが、雲の中に光の輪が浮かび、光の加減で雲にも表情が出て、ちょっとした宗教画のようで、これはこれでなかなか得がたい光景を見ることが出来ました。

 まあ、金環食なんて一生に一度見られるかどうかだと思うし、日々、原稿書きの繰り返しだと、こんなことでも結構なイベントになりますね。
 さて、脚本家がそんなとぼけたことをおこなっていても、『シレンとラギ』の東京公演はちゃんと幕が開きます。
 大阪を経てさらに練り上げた舞台にしたいと、キャスト・スタッフともに気合いが入っていました。
 当日券も出るようですので、よろしければ劇場に足をお運び下さい。


(更新 2012/5/24 )


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プロフィール

中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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