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物書きにとってのツイッターとは

文・中島かずき

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 前回、夜中のツイッターでも世の中の動きがわかると書きましたが、またその体験をしました。
 なでしこジャパン決勝戦の日、「仕事してるからテレビはつけないけど、みんなのツイートで結果はわかるよ」とつぶやいたら、池田成志くんがリツイートしてきて、ワールドカップの決勝戦なんて人生で何度も観られるもんじゃないから、観た方がいいよと忠告されました。
 そう言われればそうかと思い、テレビをつけたら、あの試合でした。
 女子サッカーだけでなく、サッカーにはそれほど詳しくはないのですが、さすがにあの試合は興奮しましたね。
 先行されて追いついて、それでもまた点をとられてまた追いついて。
 ああ、折れない心っていうのはこういうことを言うんだなあと思いながらPK戦に入って、優勝しちゃった。
 いやあ、こんな試合がリアルタイムで観られたとは、勧めてくれた成志くんに感謝です。

 先週は、ずっと家で原稿を書いてました。
 普段は、それなりに打合せがあり、週のうち半分くらいは外出の予定がはいるのですが、先週末に重めの〆切があったので、打合せを入れずに、自宅作業にあてていたのです。
 そうすると、自分でも不思議なくらい、夜中に突然猛烈な勢いでツイートを始めるのですね。
 普段おしゃべりな男が、人と喋らないものだから、その反動が出るのかもしれません。
 面白いものです。
 でもまあ、それも危険っちゃあ危険なのですが。往来で独り言、言ってるようなものですから、誰に見られてるかわからない。

 以前、ツイッターで、ある劇作家が夜中に、音楽の話か何かでやたらに盛り上がっていたのですね。
 僕はたまたまそれを見かけてぼんやりウォッチングしていたのですが、その話題もたけなわの頃、突然その劇団の製作が「あのー、楽しそうに話してるところ申し訳ないんですが、台本の方は・・・」と、おずおずと割り込んできました。
 その劇作家の人は一言謝って、そのあとはピタリと沈黙しました。そそくさと仕事に戻ったのでしょうね。
 それを見てて、「ツイッターは誰が見てるかわからないから、肝に銘じないとなあ」と思いました。
 実際、仕事上の知り合いも、編集者も、フォロワーにいますからね。夜中に猛烈な勢いでツイッターしてたら、仕事をさぼってるのも一目瞭然です。
 そういう僕もこの間似たような体験をしました。
 明け方、なぜかきんつばの話でやたらに盛り上がってしまい、次の日それを家内に見られて「あんなにツイートしなければ、もっと早く原稿上がったんじゃない」と、やんわり注意されました。
 人のことは笑えませんね。

 それでも、疎遠にしていた知人と、古いドラマのサントラなどで盛り上がったりできるのも、夜中のツイッターの面白いところ。
 各所に迷惑かけないように考えながら、やることにしましょう。 


(更新 2011/7/21 )


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中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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