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堀北ジャンヌの度胸と瞳の力に高まる期待

文・中島かずき

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『ジャンヌ・ダルク』の初日まで、もう一週間を切りました。稽古も佳境に入っています。

 100人のエキストラのみなさんも参加しているので、とにかく稽古場に人が多い。人当たりしそうなくらいです。
 でもその数の多さが、新感線のような様式美とは違う、混沌とした迫力を生んでくれそうです。

 それに負けないようにというわけでもないのでしょうが、メインキャストのみなさんも非常に熱い。
 稽古をしている間も、出番のない役者が稽古場のあちこちで自主稽古をしている。とにかくみんな熱心なのです。
 僕が稽古を観ている間にも、何人もの役者さんが疑問をぶつけてくる。こういう経験はちょっとなかった。
 演出の白井晃さんも同様で「食事をしている暇がない」と言っていました。稽古休憩の間を使って食事しようとしても、「ちょっといいですか」と役者のみんなが話しかけてくるらしいのです。
 
 先日も、稽古が終わり、帰り支度をしていると、堀北真希さんが「中島さん、ちょっと」と声をかけてきました。納得の行かない部分があるらしい。
 ラスト近くの大事なシーンをどうやるかについて、相手役の石黒英雄君と僕と白井さん、四人で一時間近くミーティングをしました。
 でも翌日の通し稽古では、「流れました」と言っていたので、話し合いをした甲斐はあったのですが、彼女は初舞台なのに大したものです。
 映像の印象では、優しい女性をやることが多い気がするのですが、本人は実にしっかりしている。芝居の流れを考えた上で自分の主張はするし、納得出来ないことは簡単には譲らない。百戦錬磨の先輩俳優達も含めて、僕ら50過ぎの大人がすっかり巻き込まれているのが面白い。
 彼女の瞳の力が、ジャンヌにぴったりだと、白井さんは言っていましたが、まさにその通りだと思います。
 一見線が細そうですが、芯は相当に太い。初舞台なのでどこまで声が出るかなと、稽古に入る前は心配していたのですが、よく通るしっかりした声も出ています。あとは一公演の中と公演期間、短期と長期の体力配分を覚えてくれれば。
 とにかく本番が楽しみです。

 全然、別の話ですが、今週、『SHIN?MEN』がオンエアされます。『クレヨンしんちゃん』のスピンオフ作品で、今週金曜日の『クレヨンしんちゃん』スペシャル枠の中の一本です。
 しんちゃんのキャラクターを使って集団ヒーロー物をやろうという企画は、臼井儀人先生がご存命の時から進めていました。
 監督は、『しんちゃん』にもずっと関わられていた湯浅政明さん。『マインド・ゲーム』など独自の作風で評価もされています。
 この企画の立ち上がりから、僕も双葉社の映像担当として、ずっと関わっていました。 会社を辞めてからは、『SHIN?MEN』のコミック版の脚本担当という形で今でも継続して会議にも参加させてもらっています。
 ちょっと時間がかかってしまいましたが、ようやく形になり世に出せるのは嬉しいことです。
 今までの『クレヨンしんちゃん』の世界とはかなり違うかもしれませんが、これも『しんちゃん』ワールドの一つとして、楽しんでもらえたらいいなと願っています。
 


(更新 2010/11/25 )


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プロフィール

中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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