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『薔薇とサムライ』いよいよ開幕!

文・中島かずき

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 さてさて、『薔薇とサムライ』がいよいよ開幕です。
 3/16のプレビューのあと、最終的な確認を行い、3/18に初日を迎えます。

 この原稿を書いているのは、3/17の深夜。
 明日は初日です。

 プレビューから劇場は満員、ありがたいことです。ただ、初日とは少し違う雰囲気が面白いですね。舞台の上も客席も作品を探り合う感じがあります。
 まだ、初日前ですので、あまり具体的な感想は書きませんが、とにかく想像以上に、天海さんは素敵です。
 古田が取材で「天海さんのコスプレの威力を観て欲しい」といったようなことを語っていましたが、「威力」とはよく言ったもの。もう、あまりの素敵さにクラクラしましたよ。
「自分が見たい物を全部入れました」と言ったのは僕なので、それを観たからにはクラクラするのも当然と言えば当然なのですが、でも、多分、大多数の人はうなずいてくれると思います。
 
 ああ、まだあんまりネタバレはしないつもりだったのに、ついつい語ってしまいそうになる。
 これ以上は、初日が開けてから、また改めて書くことにします。

 プレビューとはいえ、グッズ売り場には、『薔薇とサムライ』用の商品がしっかり並んでいます。
 開演前、休憩中、終演後と、お客さん達がとぎれることなく買い物をしていただいていたのも嬉しかったですね。
 物販の売り上げも、公演への評価のバロメーターになります。
 つまらなければ、グッズまで買って帰ろうとは思いませんからね。
 
 そういえば、今回はAERAから新感線30周年記念のムックも出ています。
 この連載の担当のN女史とK野デスクが頑張ってくれました。
 K野さんは、最初僕には「今までの作品のスピンアウト戯曲を書き下ろしで」などという無茶ぶりをしてきました。
 時間もなければアイディアもないので到底無理だと答えると「だったら『桃太郎地獄絵巻』を再録できませんか」という依頼を。
『桃太郎地獄絵巻』というのは、いのうえが高校演劇でやった芝居です。僕はそれを県大会で観て、奮えるくらい面白かった。
 面白かったのですが、台本的にはここをこうしたらもっと面白くなる(僕にとっては)という思いが強くなり、いのうえの許諾をとって書き直し、自分の高校で公演しました。
 その台本をいのうえが面白がってくれたことがきっかけになり、一緒に芝居を作ることになったのです。
 K野さんは取材の中でその事を知ったのですね。
「いのうえ歌舞伎が生まれるきっかけになった『桃太郎地獄絵巻』を、今回のムックで是非とも再録したいのですよ」と言う、K野さんのメガネの奥の瞳が光る。
 書き下ろし戯曲などと言う無茶ぶりは、むしろこのための捨て駒だったのかもしれない。
 はなから無茶な依頼をして相手が受けてくれたらめっけもの、断られたら本来の目的の依頼をする。原稿を取るためなら編集者はこのくらいの手は平気で使ってくるのです。
 まあ、僕も編集者だったので、その辺の呼吸はよくわかる。
 などと偉そうに言ってますが、ムックにはしっかり掲載されているので、彼の手にまんまとひっかかってしまったのは一目瞭然です。
「担当も変わったことだし一度ゆっくり食事でも」などという言葉に乗せられて、のこのこ天ぷら食べに行った自分が甘かった。
「コースにかき揚げまで追加して、ただで帰れると思うなよ」と、K野さんのメガネの奥の瞳が二度光る。
 もちろん、そんなこと口に出しては言いやしません。ただ、僕にはそう聞こえた。
 高校生の時に書いた脚本です。今読み直すとギャグの部分など相当恥ずかしいが、ただこの頃から『鬼殺しの鬼』を書いていたのかという発見もあった。三つ子の魂百までとはよく言ったものですね。

 僕の脚本の部分はともかく、インタビューや記事はとても面白く出来てます。『薔薇とサムライ』の特集もしていますが、うまい具合に劇場パンフとも差別化ができている。
 よければご一読ください。

 と、これだけ書けばかき揚げ分は働きましたかね、K野さん。


(更新 2010/3/18 )


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中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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