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新感線千秋楽の余韻の中・・・新幹線が止まる

文・中島かずき

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新感線千秋楽の余韻の中・・・新幹線が止まる『五右衛門ロック』大阪公演も無事千秋楽を迎えました。

今は8月24日の午後7時。大阪から東京に向かう新幹線の中でこれを書いています。

車中には、僕同様に帰京するキャストの顔もちらほらと見受けられます。3時間ほど前は大勢のお客さんのスタンディングオベーションに応えていた面々も、その興奮を胸に残しながらも、もう明日からの新しい仕事にむけて気持ちを切り替えているのでしょう。

大阪を出る時にはまだ明るかった外の景色も、もうすっかり夜になり、まさに祭りのあと、夏祭りが終わったなあとしんみりした気分です。

キャストスタッフとお客さん全員が同じ場所同じ時間を共有して、一斉に盛り上がり一斉に終わる。

この思い切りの良さはライブならではですね。

大阪公演も大盛況で、前売り券は売り切れながらも連日当日券に並ぶお客さんでいっぱい。満員御礼の連続だったようです。特に最近の大阪は集客が厳しいと聞いていたので、今回五万人近いお客さんに足を運んでいただいたのは本当に嬉しいことです。

今だから言えますが、北大路欣也(きたおおじきんや)さんに出演をお願いするのでとりあえず顔合わせに来てくれとプロデューサーに呼ばれた時には、まだ彼の役に関して殆(ほとん)ど何の構想もありませんでした。

仕方ないので一時間ほど早く演出のいのうえひでのりとプロデューサーと待ち合わせて、大あわてで打合せをして、そこで漠然としたイメージを話していくうちにポロリと「たとえば『地獄の黙示録』のマーロン・ブランドのようなポジション」という言葉が出て、「あ、これだ」と自分で納得したりとか、そういう綱渡りをしながら書いたホンでした。

などと、思い出語りをしていると新幹線が止まってしまいました。大雨の影響で東京着は大幅に遅れるとか。

まだまだ祭りの余韻(よいん)にひたっていろということでしょうか。

まあ、新幹線は止まったが新感線公演は無事だったのでよしとしましょう。うう、オチがついちゃったよ。


『五右衛門ロック』オフィシャルサイト







(更新 2008/9/ 2 )


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プロフィール

中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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