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Googleストリートビューで街をさまよう

文・中島かずき

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8月5日にGoogleがストリートビューを導入しましたが、さっそくネットで話題になっているようですね。

Googleマップの新しい機能で、場所を指定すると道からの景色がネットで見られるというもの。ちょうど人が道を歩く時のような視点で、360度グルリと周りを見渡すことも可能です。

僕も試してみました。
まずは自宅。

いやあ、しっかり写ってました。夕方に撮ったのかな。学校帰りの小学生が帰る姿も入っています。

Google側は、プライバシーに配慮するとして、はっきりと顔が判別できないようにしたり、車の場合はナンバーにモザイクをかけるという対応を取っているらしいのですが、とはいえ、服装などこれだけ鮮明に写っていれば、知人なら特定できそうですね。

ついでに自宅から駅まで行く道をたどってみました。

周りの風景からだいたいいつ頃撮影したのかはわかりますね。知人や家族が写っていたら面白いなと思いましたが、そんなことはなかったです。ですが、いじっているうちにちょっと恐くなってきました。

確かに道から見た景色です。普通に歩いていれば目に入るものです。プライバシーの侵害とは言えないかも知れません。それでも、ネットに接続するだけで、いつでもどこでも誰にでも見られると思うと、なんとなく不安感を感じてしまうのはなぜなんでしょう。犯罪の下見に使われるのでは、などと想像してしまうからでしょうか。

ただの地図なのに、歩けば見られる風景なのに、と理性では考えても、どこかで生理的な恐怖感がある。

妙ですよね。

多分、ネットの向こうには人間の悪意があると思いがちなのです。

もちろん、用心に越したことはないのですが、あまりその感覚ばかりが先行すると、若者の犯罪をなんでもかんでもネットやゲームのせいにして安心してしまい、本質を見失う心性にも通じかねないなとも思います。

ネットで街をさまようだけで、随分複雑な思いを味わってしまいました。


◆Googleストリートビュー







(更新 2008/8/21 )


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プロフィール

中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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