【Vol.28】在都外国人が語る 東京で発見した新旧のお祭り

東京では車よりもお祭りが大事にされている

ジェナさん:私は来日して3年が経ちます。お正月に東京都江東区の神社にお参りしたとき、驚いたことがありました。ここは日本の伝統文化を感じられるエリアで、町では甘酒がふるまわれていたり、コンビニに紙製の提灯が下げられたりしていたのですが、年を越す瞬間、その提灯に火がともされたんです! 私が住んでいたケベック州のモントリオール市では、街中で火をつけることは厳禁なのでとても驚きました。

写真提供:ジェナさん
写真提供:ジェナさん

ギヨームさん:僕はフランス大使館の科学技術部に勤めてまもなく1年になります。でもその前に留学を1年間していて、東京と奈良に半年ずつ住んでいました。東京に初めて来たのは5年前。隅田川花火大会に行って、場所取り用のブルーシートがあちこちに置かれていたことが印象的でした。

ジェナさん:東京では夏、たくさんのお祭りが開かれていて、街を散歩するだけでいろんなものが見られますね。お祭りがある日は、グーグルマップに道路が封鎖される箇所だけじゃなくて、お神輿の通り道も示されるんです。これって最高ですよね。モントリオールではたくさんのフェスティバルがあるけれど、通行止めにはしません。でも、東京では伝統行事は車よりも大事なんですね。商店街でもお祭りの曲がかかったり、コンビニで店員さんが法被を着たりしますね。

ギヨームさん:そう、お祭りのときに街ではいろんなものが売られますね。食べ物を買いに着物を着た人が列をつくる光景は、とても素晴らしいと思います。ところでフランス大使館も毎年、地元のお祭りに参加しているんですよ。大使館のある港区南麻布富士見町会のお神輿が公邸にやってくるので、大使館関係者も担いだり、皆でいろんなものを食べたり……。地域の人たちと絆を深めるために欠かせないイベントです。

写真提供:在日フランス大使館
写真提供:在日フランス大使館

スポーツの祭典に、お花見に。
東京でこれから体験したいこと

ギヨームさん:以前、豊洲にあるチームラボのミュージアムに行ったことがあるのだけれど、あれは「デジタルなお祭り」ですね。伝統的なお祭りの場合、踊りや音楽は過去のものに焦点を当てるけれど、チームラボは未来に当てていて、その対比が面白いなと。

ジェナさん:私も東京を訪れる友人には、チームラボをすすめています。

ギヨームさん:あの展示をうまく説明するのはなかなか難しいんだけれど、一度そのお祭りを体験すれば、もう帰りたくなくなるぐらい夢中になれます。

ジェナさん:他に行きたいお祭りはある?

ギヨームさん:伝統的なお祭りではないけど、2020年のスポーツの祭典は僕にとって大きなお祭りのひとつ。ぜひ見に行きたい! あとは、長時間並ばなければならないと聞いたけれど、千鳥ケ淵で桜を見ながらボートに乗ってみたいね。

ジェナさん:そうそう、東京のお祭りでは列に並ぶという忍耐力も必要(笑)。ただ、東京はメトロやバスなどの交通機関がたくさんあって移動も便利。簡単にお祭りに行けるのがいいところ。今度お祭りに行ったら、お神輿を担いでみたいな!

写真提供:ギヨームさん
写真提供:ギヨームさん

ギヨーム・バロー
Guillaume Barraud

フランス西部・バンデー県出身。日本での大学留学及びインターンシップを経験後、フランスに帰国。現在は、海外にあるフランスの政府機関で行われているインターンシップ・プログラム「V.I.A」( Volontariat International en Administration )の制度を活用し、在日フランス大使館に勤務。

ジェナ・ウィルソン
Jenna Wilson

カナダ・モントリオール出身。フランス語話者が多く住むケベック州で育つ。日本の地方自治体が主催する、語学指導等を行う外国青年招致事業「JETプログラム」(The Japan Exchange and Teaching Programme)に応募し、来日。現在は、フリーライター・語学教師として活躍。

写真:伊佐ゆかり

翻訳:高橋純/Tokyo Tekuteku
https://tokyo-tekuteku.com/

取材撮影協力:在日フランス大使館
https://jp.ambafrance.org/-Japonais-

本企画は『東京の魅力発信プロジェクト』に採択されています。
このサイトの情報は、すべて2019年8月現在のものです。予告なしに変更される可能性がありますので、おでかけの際は、事前にご確認下さい。