<ライブレポート>さなり、二十歳になって初の全国ツアー開幕

2022/12/16 13:26

<ライブレポート>さなり、二十歳になって初の全国ツアー開幕
<ライブレポート>さなり、二十歳になって初の全国ツアー開幕


 ラップアーティストのさなりが、二十歳になって初の全国ツアー【Sanari ONEMAN TOUR「2002」】をスタートした。
 11月17日に東京・Veats Shibuyaにて行われたツアー初日は、さなりが20歳を迎えた誕生日の翌日。彼の生まれ年という原点回帰のようなツアータイトル【Sanari ONEMAN TOUR「2002」】を掲げ、東京公演のみバンドスタイルでのライブを行った。
 定刻、バンドメンバーに続いて登場するなり「全力で一緒に楽しんでいきましょう!」と呼びかけたさなりは、1曲目「BRAND-NEW」で爽やかな風を吹かせるようにステージをスタート。明るい夜明けを思わせる雰囲気の中歌うさなりはラフな空気を纏っており、20歳になった等身大の姿を見せるよう。〈僕らだけのストーリー〉の歌詞を歌いながら手を伸ばした際の一体感が会場を美しく彩ったかと思えば、その後の展開ではドラムのリズミックな演奏に合わせて早口のフレーズを刻むなど、そのメリハリでも魅了する。
 キックとベースの低音が会場の床を揺らし、スネアのアタックが緩急をつけた「Prince」に続くと、切なくも甘く瑞々しい歌声を紡ぐ。多彩な展開の「Blue」ののち、MCへ。「さっきまでリラックスしてたけど、ステージに入ってきた瞬間どきどきして、1曲目は緊張してました。気づいた?」とフランクに話すその姿を見るに、既に緊張はほどけているようだ。笑顔でオーディエンスとコミュニケーションを取っていく。
 「20歳になった俺を感じてほしくて。ついて来れるかい?」という問いかけにオーディエンスが拍手で答えると、「バチバチに行くんで見とけ、って感じでよろしく」という言葉を皮切りに、歪んだバンドサウンドが攻撃的な色を帯びたこの日初披露の新曲を披露。ほとばしる演奏に乗せて紡がれるさなりのラップもそれまでの穏やかなものではなく、ヒップホップを踏襲した正統派なラップ。クールに畳みかけて印象を大きく変える。うなりをあげるような音色のギタープレイの一方、Bメロではキーボードがメロディアスな伴奏でほとぼりを冷ますなど、ダイナミックな構成もオーディエンスの熱を昂らせていく。
 「キングダム」にて、どこか冷静に韻を踏んでいくさなりは、激しさを増すバンド隊の統制を取って率いていくような存在感を醸していた。「悪戯」では皮肉っぽい笑みを浮かべて攻撃的な熱さと冷たさの温度差を見せ、「Sublimate」へと続くまで熱をほとばしらせ続けた。
 MCで一息ついたさなりは、早くもここからはライブが後半に入ることを明かすと、「みんなの耳に届くように」と「Hero」へ。直前までのワイルドで猛々しいバンドも鳴りを潜め、明るくジャジーなキーボードがポップな印象だ。さなりもバンドメンバーと目を合わせながら軽快にリリックを紡いでいく。「嘘」の〈世界の優しさが砂にならないように〉という歌詞を優しく、しかしどこか寂し気なニュアンスで紡ぐと、「2FACE feat.SKY-HI」へ。ストレートなメッセージを届けるように真っすぐに歌い上げた。
 「今までのフルバンドのワンマンライブで一番時間が早く感じる」と、ここまでを振り返るさなり。2018年のデビューから4年という時の流れを噛みしめながら、「周りの目が気になったりとか、この1、2年くすぶっていたんです」と話し始める。「くすぶりながら20歳になってしまったわけですよ。でもこの1か月くらい、すごい生を実感するっていうか、生きてるっていう感じがして。支えてくれた家族、大人、友人、ファンがいてくれて、これまでの自分を受け入れられた。だから今日、ここにいるみんなにまじでありがとう。良いところも悪いところも含めてさなりだと思ってる。人生の証として歌を残していくので、これからもよろしくお願いします」と力強く語りかけた。そんな気持ちを一人ひとりに伝えるように熱を帯びた歌声で奏でたのは「Begin Again」。〈きっと一人きりじゃ挫けちゃうから〉〈誰も僕にはなれない〉と歌い上げる。最後は二十歳の誕生日にリリースした新曲「FEEL ME」を披露し、明るくパワーのある歌声で会場を包み込んだ。
 アンコールで再び登場したさなりは、バンドメンバーを紹介したのち、新曲「Just Dance Now」を披露。「超良い20歳を迎えられたなと思います」と満足そうに話し、「Nights feat. OZI&eill」を軽快に歌い上げ、リラックスした様子で締めくくる。バンドとの一体感を見せたさなりの20歳初のステージは、音楽への真摯な姿勢と今後への決意を感じさせる、明るく穏やかなものとなった。
Text:村上麗奈
Photo:カワベミサキ

◎ツアー情報
【Sanari ONEMAN TOUR「2002」】
2022年11月17日(木)東京・Veats Shibuya
2022年12月22日(木)愛知・名古屋CLUB QUATTRO
2022年12月23日(金)大阪・梅田CLUB QUATTRO
2022年12月25日(日)福岡・BEAT STATION

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