<ライブレポート>ヒット・ソングを惜しみなく披露したAimer/ClariS×TrySailの特別コラボ/サプライズ出演のLiSAが告げた感謝 【SACRA MUSIC FES.2022】後編
<ライブレポート>ヒット・ソングを惜しみなく披露したAimer/ClariS×TrySailの特別コラボ/サプライズ出演のLiSAが告げた感謝 【SACRA MUSIC FES.2022】後編

 2022年11月26日と27日、ソニーミュージック内のレーベル<SACRA MUSIC>が設立5周年を記念し、所属アーティストが集結する音楽フェスティバル【SACRA MUSIC FES.2022 -5th Anniversary-】を千葉・幕張メッセ イベントホールにて開催した。本稿では、26日の“DAY 1”公演のライブレポート後編をお届けする。

 二日間で総勢18組のレーベル所属アーティストが集結した本フェスティバル。3時間以上に及んだライブの後半戦は、来年3月に初の日本武道館ワンマンを予定しているReoNaが、TVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』2ndクールのOPテーマ「ANIMA」からスタート。特大のサウンド・スケープの中で<魂の色は 何色ですか>と鋭く、力強く問いかけるパフォーマンスで、初っ端からフルスロットルの滑り出しだ。続く「Alive」は、TVアニメ『アークナイツ【黎明前奏/PRELUDE TO DAWN】』OPテーマの最新シングルで、ステージ上に巨大な白いカーテンを引いたような照明も美しい。ラストはTVアニメ『シャドーハウス 2nd Season』OPテーマの「シャル・ウィ・ダンス?」。ダンサーを交えたシアトリカルな演出で、観客をその世界観の中に引き込んだ。

 三月のパンタシアは、オリジナル小説を軸にネット音楽の様々なクリエイターと楽曲を生み出すプロジェクト。“小説×音楽×イラスト”を掛け合わる自主企画『ガールズブルー』の第一弾楽曲で、作詞と作編曲をn-bunaが手掛けた「青春なんていらないわ」をみあ(Vo.)が丁寧に歌い上げ、続いてはTVアニメ『カッコウの許嫁』エンディング・テーマの「四角運命」へ。性急なビート、エネルギッシュなギターとベースの応酬が痛快なロック・ナンバーで、観客のボルテージをさらに上げる。また、藍井エイルは、こちらも制作陣にn-bunaを迎えた『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』主題歌の「心臓」でスタート。TVアニメ『カッコウの許嫁』2期EDテーマの「HELLO HELLO HELLO」は、カントリー調のハート・ウォーミングなパフォーマンスに仕上げる。フェスティバルの一日を演奏で支える“SACRA BAND”のメンバーを紹介したのち、最後はTVアニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』オープニング・テーマの「流星」でアグレッシブにショーを締めくくった。

 力強いタイトル・コールとともになだれ込んだTVアニメ「鬼滅の刃遊郭編オープニング・テーマ「残響散歌」で始まったAimerのアクト。初手から2022年を象徴するヒット・ソングを惜しみなくプレイすると、その流れで同作のエンディング・テーマでプロデューサーに梶浦由記を迎えた「朝が来る」を披露、「残響散歌」の華やかで煌びやかな世界感とは一味違う、ほんのりダークでスリリングなムードを醸し出し、表現力の振れ幅をアピールしていく。3曲目のTVアニメ『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』OP主題歌「SPARK-AGAIN」も、前2曲とは雰囲気を変え、直情的なロック・サウンドで観客を興奮の坩堝に叩き込むエンディングとなった。

 クララとカレンの2人組ユニット、ClariSは1曲目にTVアニメ『リコリス・リコイル』オープニング・テーマの「ALIVE」をチョイス。時に呼吸をぴたりと合わせた掛け合いを、時に美しいハーモニーを織りなすユニゾンを奏でる二人は、続いて自身の代表曲でTVアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』オープニング・テーマの「コネクト」を歌唱、観客はクラップやペンライトでパフォーマンスの一体感に加わる。そして3曲目、ステージ上に5人分のシルエットが映し出されると、ClariSの2人に加えてTrySailの3人もオンステージ、TVアニメ『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 Final SEASON -浅き夢の暁-』最終話エンディング・テーマに起用されたコラボ曲「オルゴール」を披露し、貴重なスペシャル・パフォーマンスでお祭りに花を添えた。

 本編のトリを務めたのは、澤野弘之が様々なボーカリストとともに楽曲を生み出していくプロジェクト、SawanoHiroyuki[nZk]。1曲目はこの日のオープニング・アクトを飾ったSennaRinを招いた「βios」だ。重厚なサウンドとパワフルなSennaRinの歌声がせめぎ合う、非常に動的なオープニングを経て、続いてはダンス・ビートが躍動する「Hands Up to the Sky」へ。フロントを務めたLacoの歌声もどこまでもソウルフル。こうして多彩なボーカリストの魅力を引き出し、時には既存の楽曲を再構築しながら作られる意欲的なショー・プロダクションは、SawanoHiroyuki[nZk]のライブの大きな見どころのひとつだろう。3曲目はReoNaを迎え、TVアニメ『七つの大罪 憤怒の審判』エンディング・テーマの「time」へ。ラストは客席からこの日最大級のどよめきを誘った「StarRingChild」。プロジェクトの歴史を語るうえでは欠かせないコラボレーターのひとり、Aimerをボーカリストに迎え、記念碑的なパフォーマンスのフィナーレを飾った。

 お祭りは終わらない。観客のクラップに応える形で始まったアンコール・パート。スクリーンに“Secret Artist”の文字が浮かび上がり、LiSAが姿を現すと、客席からは抑えきれないほどの拍手が起こる。劇場版「鬼滅の刃」無限列車編の主題歌「炎」を情感豊かに歌い上げると、「いつも私たちを、私たちの音楽を楽しんでくださるみなさんに感謝を込めて。ありがとうございます。LiSAでした」と想いを告げ、ステージを去ったのだった。

 なお、今回の【SACRA MUSIC FES.2022 -5th Anniversary-】の模様は、2023年4月12日に映像パッケージとして商品化されることも決定。また、サウジアラビアの首都リヤドで開催中のイベント【ブルバードワールド】内の“ジャパンアニメタウン”にて、12月7日から31日までの約1か月間、レーベル所属アーティスト計11組が毎週ライブを開催する【SACRA MUSIC MONTH】も予定されている。今年8月にはドイツに【SACRA MUSIC FES】が上陸したが、引き続き国内外に魅力的なコンテンツを届け続ける<SACRA MUSIC>の動きに今後も注目したい。

Photo by 平野タカシ

<セットリスト>
01. 最果て / SennaRin
02. 決闘 / PENGUIN RESEARCH
03. 千夜祭 / PENGUIN RESEARCH
04. Howling / ASCA
05. RESISTER / ASCA
06. センチメンタルクライシス / halca
07. 誰彼スクランブル / halca
08. セカイノハテ / 斉藤朱夏
09. パパパ / 斉藤朱夏
10. ハミダシモノ / 楠木ともり
11. タルヒ / 楠木ともり
12. ごまかし / TrySail
13. はなれない距離 / TrySail
14. DICE / FLOW
15. PENDULUM / FLOW
16. COLORS / FLOW×藍井エイル
17. WORLD END / FLOW
18. ANIMA / ReoNa
19. Alive / ReoNa
20. シャル・ウィ・ダンス? / ReoNa
21. 青春なんていらないわ / 三月のパンタシア
22. 四角運命 / 三月のパンタシア
23. 心臓 / 藍井エイル
24. HELLO HELLO HELLO / 藍井エイル
25. 流星 / 藍井エイル
26. 残響散歌 / Aimer
27. 朝が来る / Aimer
28. SPARK-AGAIN / Aimer
29. ALIVE / ClariS
30. コネクト / ClariS
31. オルゴール / ClariS×TrySail
32. βios / SawanoHiroyuki[nZk]:SennaRin
33. Hands Up to the Sky / SawanoHiroyuki[nZk]:Laco
34. time / SawanoHiroyuki[nZk]:ReoNa
35. StarRingChild / SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer
En
36. 炎 / LiSA ※シークレット

◎公演情報
【SACRA MUSIC FES. 2022 -5th Anniversary-】
2022年11月26日(土)・27日(日)
千葉・幕張メッセ イベントホール
<出演者>
藍井エイル / ASCA / Aimer / 楠木ともり / ClariS / 斉藤朱夏 / 斉藤壮馬 / 佐藤ミキ / SawanoHiroyuki[nZk] / 三月のパンタシア / スピラ・スピカ / SennaRin / TrySail / halca / FLOW / LiSA / PENGUIN RESEARCH / ReoNa(50音順)
※楠木ともり、斉藤朱夏、SennaRin(11月26日のみ出演)
※斉藤壮馬、スピラ・スピカ、佐藤ミキ(11月27日のみ出演)
※他、両日共通