<ライブレポート>レディー・ガガ、ヒット曲満載の8年ぶり来日公演で貫録を見せつける

2022/09/16 18:54

<ライブレポート>レディー・ガガ、ヒット曲満載の8年ぶり来日公演で貫録を見せつける
<ライブレポート>レディー・ガガ、ヒット曲満載の8年ぶり来日公演で貫録を見せつける


 全米No.1アルバム『クロマティカ』を引っさげて、8年ぶりに日本に戻ってきた世界的歌姫=レディー・ガガ。2022年7月の独デュッセルドルフ公演を皮切りに、パリ、ロンドン、トロント、ニューヨーク、ロサンゼルスなど、世界主要都市のスタジアムを巡ってきたガガが、9月3日と4日に埼玉・ベルーナドーム(西武ドーム)にて開催した【CHROMATICA BALL】は、アジア地域で唯一のライブとなった。ここでは初日の模様をお伝えする。
 会場に入ると、打ち放しコンクリートによる壮大なステージがお出迎え。ガガのインスタグラムで「WELCOME TO MY MUSEUM OF BRUTALITY」と事前に紹介されていたが、ブルータリズム建築にインスパイアされた、荒涼としたそれは、まるで美術館に足を踏み入れたようなステージだ。会場にはガガのコスプレや彼女からインスピレーションを受けたファッションやメイクをするリトル・モンスターズが大勢見受けられ、会場全体から約3万人によって沸き起こる“ガガコール”とクラップが会場の熱気をさらに加速させる。
 18時30分頃、スクリーンに宇宙のような映像が流れ、ガガの影が映ると会場は黄色い歓声に包まれた。バックスクリーンから鎧のような衣装を身にまとったガガが登場し、大ヒット曲「バッド・ロマンス」で幕を開け、「ジャスト・ダンス」「ポーカー・フェイス」と、ド頭からのヒットソングが続き、会場のボルテージも一気に最高潮へ。この圧巻のオープニングから始まったショーは、最新作『クロマティカ』と同様に3部構成で、アクト1~3、フィナーレと続いていく。
 アクト1は『不思議の国のアリス』をオマージュした楽曲「アリス」からスタート。コンクリートの壁に寝た状態で登場したディーヴァは、まるでワンダーランドという果てしない広大の地の中でもがき苦しんでいるように見え、『クロマティカ』制作時の彼女の精神状態そのものをパフォーマンスしているようだ。角度が変わり、ほぼ垂直の状態でも、歌声もダンスも一切ブレることなく、世界的スーパースターの貫録を見せつける。
 「モンスター」ではリトル・モンスターズに向けて「Put Your Paws Up(手を上げて)」と大きく煽り、その熱量に呼応するように盛り上がるファンたち。“Paws Up”を直訳すると「爪を立てる」という意味だが、これは「爪あとを残すくらい自分に自信を持って」というガガからのメッセージでもあり、彼女の発する一言一言にファンへの愛を感じられる。
 8年という月日を埋めるかのように、MCは一切なく、ガガは「アイシテマス、トウキョウ」と何度も日本愛を伝えながら、次から次へとパワフルなパフォーマンスを披露。BLACKPINKとのコラボ「サワー・キャンディー」、ビヨンセをフィーチャーした「テレフォン」と、アクト2では大量の炎と共にアップチューンが繰り広げられた。
 シンフォニックなサウンドの新たな世界観で幕を開けたアクト3では、ゴールドの衣装に身を包んだガガが登場する。「バビロン」で金色のローブと冠のようなものを頭に纏う姿は神々しく、まさに“ガガ様”のお出ましだ。「フリー・ウーマン」ではアリーナを練り歩き、ドーム中央にあるサブステージへ移動。中央に位置する大きな木のオブジェは、なんとピアノで、弾き語りが始まる。
 ゆっくりと語りかけるように「今夜この会場にいるみんなからたくさんの愛と喜びと情熱を感じます。ここには自分が何者かよくわかっている人たちが集まっていると思いますが、もし自分が何者かまだ自信がなくても、いつかわかる日がきっとくるので大丈夫です。誰かに聞かれて答えに困ったときは『私はこう生まれただけよ』と返せばいい。日本中のLGBTQ+コミュニティにこの曲を捧げます。」と、力強いピアノと歌詞一つ一つを噛み締めるように「ボーン・ディス・ウェイ」が始まった。
 歌詞にリンクするように「いま“完璧”って言ったのが聞こえましたか? そう、あなたたちは完璧なんです!」と、確かめるように何度もメッセージを送るガガに、会場からは涙ながらにも多くの拍手が沸き起こった。ピアノによるアコースティックとバンドによるダンサブルな両バージョンで披露されたこの曲は、この日一番の盛り上がりを見せた。
 蛇のようなマスクに衣装チェンジし、初主演映画『アリー/スター誕生』のために書き下ろした「シャロウ」と同映画のサウンドトラックから「オールウェイズ・リメンバー・アス・ディス・ウェイ」では、のびのびとしたピアノと圧巻の歌唱力で会場を魅了する。
 「コロナの大変な状況の中、来てくれて本当にありがとうございます。一緒にこの時を過ごすことができて本当に幸せです。だからこそ、できる限り最高のショーを見せたいと思ってます。この曲を知っていたら一緒に歌ってください。」――そう言うと「ジ・エッジ・オブ・グローリー」が流れる。マスク越しではあるものの、3.5万人の合唱とライトで会場全体が一つになった感動的な瞬間だった。
 そして「ここ東京から遠く離れたアメリカの人々に願いを込めて、アルバム『ジョアン』から一曲披露します。この歌は祈りであり、人々が幸せに、安全に、そして優しさに満ちますように。」と、祈るように「エンジェル・ダウン」を披露。祖国アメリカで起こっている社会問題に対し、声をあげるのに場所なんて関係ない、世界中に関係があることだから、と願いと祈りを切に訴えた。
 いよいよクライマックスに突中。「ファン・トゥナイト」でシンガロングし、バンドアレンジが効いた「エニグマ」で体を揺らして、サブステージを後にし、本編も終了する。
 スパンコールが輝くライダースで登場したフィナーレでは、ダンサー達と一糸乱れぬダンスで「スチューピッド・ラブ」、アリアナ・グランデとのコラボ曲「レイン・オン・ミー」で再び会場を熱狂の渦に包んだ。
 バンドメンバー1人1人とハグをしながらアンコールで登場すると、映画『トップガン マーヴェリック』の主題歌「ホールド・マイ・ハンド」を熱唱。ステージ上で燃え上がる炎の上を果敢にジャンプし、全身全霊の歌声をドームに響かせる。大きな拍手が鳴り止まない中、ガガはハートマークを作り、最後まで日本のファンへ愛を届ける。愛、勇気、祈りを届けた2時間はまさにひとつの映画のようで、レディー・ガガの生き様とも言えるだろう。
Text by Shiori Watanabe / Photos by Masanori Naruse

◎セットリスト
【LADY GAGA PRESENTS THE CHROMATICA BALL】
※2022年9月2日(土)公演
1. Bad Romance
2. Just Dance
3. Poker Face
4. Alice
5. Replay
6. Monster
7. 911 / Sour Candy
8. Telephone
9. LoveGame
10. Babylon
11. Free Woman
12. Born This Way
13. Shallow
14. Always Remember Us This Way
15. The Edge of Glory
16. Angel Down
17. Fun Tonight
18. Enigma
19. Stupid Love
20. Rain On Me
21. Hold My Hand
◎リリース情報
アルバム『クロマティカ(ジャパン・ツアー・エディション)』
2022/8/31 RELEASE
UICS-9180 4,620円(tax incl.)
https://umj.lnk.to/LG_ChromaticaJP

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