【米ビルボード・ソング・チャート】リゾ「アバウト・ダム・タイム」で約3年ぶり2曲目の首位獲得
【米ビルボード・ソング・チャート】リゾ「アバウト・ダム・タイム」で約3年ぶり2曲目の首位獲得

 リゾの「アバウト・ダム・タイム」が約3年ぶり、自身2曲目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 4月30日付で初登場してから14週目で首位に到達した「アバウト・ダム・タイム」は、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で2位に初登場した新作『スペシャル』のリリース効果により各ポイントが上昇。ストリーミング・ソング・チャートでは、1,430万回(18%増加)を記録して10位から8位に再浮上し、エアプレイ・チャートでは8,820万回(3%増加)を記録して3週目の首位を、デジタル・ソング・セールス・チャートでも29%増加の14,000を売り上げて、2週目のNo.1を獲得した。また、R&Bソング・チャートでは10週目、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートでは3週目の首位をそれぞれキープしている。

 Hot 100での首位獲得は、2019年9月から7週を記録した「トゥルース・ハーツ」以来約3年ぶり、2曲目のタイトルで、その他、2019年11月に「グッド・アズ・ヘル」が3位、2021年8月に「ルーマーズ feat. カーディ・B」が4位にそれぞれTOP5入りしている。

 タイトルに「ダム(damn)」が含まれる曲が首位を獲得したのはHot 100史上初の快挙で、これまでの最高位だったヤングブラッズの「Damn! feat. リル・ジョン」が2003年に獲得した4位を大きく上回った。なお、グループ名に含まれる曲では、1991年にダム・ヤンキースが「ハイ・イナフ」を3位にランクインさせているが、この曲も首位獲得は逃している。

 「アバウト(About)」が含まれる曲では、今年の2月5日から3月5日付の計5週を記録した「秘密のブルーノ(We Don't Talk About Bruno)」に続く2曲目で、「タイム(Time)」が含まれる曲では、2002年に2週を記録したジャ・ルールの「オールウェイズ・オン・タイム feat. アシャンティ」以来、約20年ぶりの首位獲得となる。

 また、「アバウト・ダム・タイム」にサンプリングされたワールズ・フェイマス・シュプリーム・チームの「Hey! DJ」(1984年)は、1997年9月に3週1位をマークしたマライア・キャリーの「ハニー」に続く2曲目の間接的な首位を獲得した。

 「アバウト・ダム・タイム」の上昇により、先週10週目の首位を獲得したハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」は2位にダウンしたが、エアプレイが7,300万回(2%減少)、ストリーミングが1,740万回(4%減少)、セールスも5,000(6%増加)で安定している。主要ポイントの大きな変動もなく、今年のソング・オブ・ザ・サマーでは8週目の首位をキープした。

 また、ハリー・スタイルズは今週9位に「レイト・ナイト・トーキング」もランクインさせていて、TOP10に2曲を送り込んだ。「レイト・ナイト・トーキング」は、6月4日付で4位にデビューした後TOP10圏外にランクダウンしたが、7月13日に公開されたミュージック・ビデオのリリース効果を受け、今週ポイントが上昇し先週の11位から再浮上した。エアプレイは14%増加の4,690万回、ストリーミングは前週と同率の950万回、セールスも2%増加の2,000にそれぞれ上昇している。

 続いて3位には、先週の4位からケイト・ブッシュの「神秘の丘/Running Up That Hill (A Deal With God)」(1985年リリース)が上昇し、最高位を更新した。初のランクインからTOP3入りした今週までの期間は36年10か月3週間で、史上3番目、ホリデー・ソングを除くと最もブランクの長いタイトルとして記録を更新した。

61年2週間 ボビー・ヘルムズ「ジングル・ベル・ロック」(1958年12月22日~2020年1月4日)
59年1週間 ブレンダ・リー「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」(1960年12月12日~2019年12月21日)
36年10か月3週間 ケイト・ブッシュ「神秘の丘」(1985年9月7日~2022年7月30日)
19年 マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」(2000年1月8日~2019年1月5日)
16年4か月1週  クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」(1976年1月3日~1992年5月9日付)

 非ホリデー・ソングでは、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」も映画『ウェインズ・ワールド』に起用されたことで、16年3か月2週間というブランク記録を残している。

 「神秘の丘」は、ストリーミングが10%減少の1,930万回、セールスも23%減少の10,000にそれぞれ下降したが、ラジオが好調で、前週から26%増加の3,980万回(今週のAirplay Gainer)を記録して、エアプレイ・チャート(総合)で15位から10位に自身初のTOP10入りを果たしている。その他、ジャンル別でもポップ・エアプレイ・チャート、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャート、アダルト・コンテンポラリー・チャートで各TOP10入りし、オルタナティブ・エアプレイ・チャートでは6位から5位に上昇。TOP10入りは5曲目、TOP5には「ラヴ・アンド・アンガー」(1989年)に続く2曲目のランクインを果たした。ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートでも、各7週目の首位をキープしている。

 ジャック・ハーロウの「ファースト・クラス」は先週の3位から4位にダウンして、5位はフューチャーの「Wait for U feat. ドレイク&テムズ」が、6位もバッド・バニーの「Me Porto Bonito with チェンチョ・コルレオーネ」がそれぞれ同位をキープした。

 「Me Porto Bonito」は、今週2,110万回を記録してストリーミング・チャートで2位から1位に浮上し、バッド・バニー、チェンチョ・コルレオーネいずれも初の首位を獲得。また、ストリーミング・ソング・チャートの集計が始まった2013年1月以降、全スペイン語の楽曲としても初のNo.1タイトルを獲得するという快挙を達成した。なお、2017年に16週という大記録を達成したルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーの「デスパシート feat. ジャスティン・ビーバー」にもスペイン語が含まれているが、全編スペイン語ではない。その他、英語以外の言語で首位を獲得した曲は、韓国語を主としたPSYの「江南スタイル」(2013年 / 6週)がある。

 ラテン・ソング・チャートでも10週目の首位を獲得した「Me Porto Bonito」。この曲のヒットもあり、収録アルバム『Un Verano Sin Ti』は今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で通算6週目の首位を獲得している。

 先週9位にランクインしていたビヨンセの「ブレイク・マイ・ソウル」は、今週7位に浮上し再び最高位に到達した。ダンス/エレクトロニック・ソング・チャートでは4週目の首位をキープしている。

 先週7位に再浮上したグラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」は今週8位にダウンしたが、これでHot 100のチャートイン総週を79週目に更新し、エイウォルネイションの「セイル」と同率の歴代3位タイに記録を並べた。

90週 ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」(2020年)
87週 イマジン・ドラゴンズ「レディオアクティヴ」(2013年)
79週 エイウォルネイション「セイル」(2013年)
79週 グラス・アニマルズ「ヒート・ウェイヴス」(2022年)

 先週8位にランクインしていたドレイクの「Jimmy Cooks feat. 21サヴェージ」は10位に順位を下げている。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは7月29日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「アバウト・ダム・タイム」リゾ
2位「アズ・イット・ワズ」ハリー・スタイルズ
3位「神秘の丘」ケイト・ブッシュ
4位「ファースト・クラス」ジャック・ハーロウ
5位「Wait for U」フューチャー feat. ドレイク&テムズ
6位「Me Porto Bonito」バッド・バニー with チェンチョ・コルレオーネ
7位「ブレイク・マイ・ソウル」ビヨンセ
8位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ
9位「レイト・ナイト・トーキング」ハリー・スタイルズ
10位「Jimmy Cooks」ドレイク feat. 21サヴェージ