<ライブレポ―ト>INORAN、アコースティック編成によるライブをBillbord Live TOKYOで開催「夢を追い続けることから逃げないよう、みんなに証人になってもらいたい」

2022/07/14 13:14

<ライブレポ―ト>INORAN、アコースティック編成によるライブをBillbord Live TOKYOで開催「夢を追い続けることから逃げないよう、みんなに証人になってもらいたい」
<ライブレポ―ト>INORAN、アコースティック編成によるライブをBillbord Live TOKYOで開催「夢を追い続けることから逃げないよう、みんなに証人になってもらいたい」


 LUNA SEAのギタリスト、INORANのソロツアー【INORAN Billboard Live tour「IN MY OASIS Billboard Session」】が7月9日、東京・Billbord Live TOKYOにて開幕した。
 このツアーはINORANがソロデビュー25周年を記念して制作した最新アルバム『IN MY OASIS Billboard Session』を掲げて行なっているもの。2019年以降、バンドスタイルとは異なるアコースティック編成というプレミアムな形で、Billboard Liveにてソロ公演を繰り広げてきたINORAN。今作は、そのなかで演奏してきた楽曲を中心に収録。また、音源化にあたっては、Billboard Live独特の“空気感”をパッケージするためにBillboard Liveの全面協力のもと、Billboard LIVE YOKOHAMAにてレコーディングを行ない、さらにはジャケット撮影、映像撮影も同会場で行なった。アルバムに収録されたあの空気感を、五感をフルに使ってリアルに楽しめるのが今回のツアー。ここでは、このツアーの初日となった7月9日、2ステージ行われた公演のうち、1st STAGEのライブの模様をレポートする。
 会場に一歩足を踏み入れたところから大人なラグジュアリーな空間が広がる。この空間で、美味しい食事や様々なドリンクを味わいながらアーティストのライブを鑑賞できるのはBillboard Liveならでは。今回のツアーではINORAN×Billboard Liveのコラボカクテルとして”IN MY OASIS“にちなんだ爽やかなブルーのコラボカクテルが登場。開演前、多くのお客さんたちがこのドリンクを味わっていた。
 そうして、いよいよ開演時間がやってきた。ビートルズの曲が流れだすと島津由美(チェロ)、Yui(ヴァイオアリン)、葉山拓亮(ピアノ)に続いて柔かなオーラをまとったINORANが登場。客席から大きな拍手が沸き起こったあと、ひと呼吸置いて、INORANがメンバー一人ひとりと丁寧にアイコンタクトをかわしていくと、時計の進みがだんだん遅くなっていくような錯覚に陥る。時間がゆったりと流れだしたなか、ステージではギターレスのINORANがセンターに構え、スタンドマイクで歌い出し、ライブは「raize」で幕開け。従来のバンド形式のロックなスタイルとは全く違う。だが、生楽器の音が1音1音、体に溶け入るように届いてくるアンサンブルは素晴らしく、極上の聴き心地。そのなかで、INORANは声を張り上げることなく、場内を包み込でいくような大らかな歌声を届けていく。
 なんとも贅沢な大人な空間に冒頭から陶酔。前半パートでもっとも印象的だったのは「Daylight」の歌唱だった。1曲のなかで歌がドラマティックに高ぶっていく様が、手に取るように伝わるのはアコースティック編成ならでは。歌い出しはやわらかな手触り。光を呼び込むようなファルセットで観客を照らしていた歌声が、2番からどんどん熱を帯びていき、スタンドからマイクを掴み取ったINORANが、溢れる想いに身を任せ熱量を放出しながら歌い出したところは、見ていてもテンションが上がった。オーディエンスはその歌の波動を胸に刻み込むように、全力で受け止めていた。
 「皆さん、こんにちは」と告げたINORANは、「自分が歌を中心にアコースティックでやるなんて思ってませんでしたけど。なかなかこれが、クセになってね」といって客席の空気をほっこり和ませたところで「美味しいご飯と飲み物、素晴らしいメンバーと奏でる音、心地よい空気、五感で最後まで楽しんでいって下さい」と挨拶を届けた。
 ライブ中盤は、アルバムにもスペシャルゲストとして参加していた傳田真央を呼び込み、彼女とともにライブを進行していく。迫力あるフェイクを響かせながら傳田がステージに合流すると、歌は厚みを増し、なによりもINORANのヴォーカルが顕著に変化した。R&B畑出身で、グルービーでパワフルな歌声の持ち主である傳田。それと共鳴するように、INORANの歌は粘っこくなり、男らしさや声の迫力が増していったのだ。傳田について、「想像を超えてくるんです。同じことをやってこないから、一緒に音楽を作っててすごく楽しいです」とステージで伝えていたINORAN。ここではINORANが上手寄りに置かれたハイスツールに座りながら、アコースティック・ギターを(ピックを使わず)指弾きして傳田の歌唱力を存分に引き立たせていくパートもあれば、INORANが椅子から立ち上がり、傳田と顔をがっつり見合わせ、お互いハンドマイクを持って、歌でめちゃくちゃ熱いセッションを繰り広げていくシーンもある。この日特に秀逸な声のセッションが体感できたのはアルバム未収録の「Wherever I go」を歌ったときだった。複雑なハーモニーを完璧な抑揚で歌いこなしていく2人。1音も外せないという張り詰めた緊張感が、場内を支配していく。そこに、2人のフェイクが掛け合いをするように徐々に解き放たれていったときの声の迫力たるや。高まる2人のボルテージ。後半、INORANはマイクを外し、生声に近い声で傳田のフェイクに呼応。その熱を帯びたセッションは、会場全体が思わず息をのんだ。
 そうして傳田がはけたあと、ライブは終盤へと突入。MCでは「昨日とか思いもよらないことがあって。大きくいったら、世の中何が起こるかわからない」と話し出したINORAN。「諦めるのって大事なのかなと考えたりした」と胸の内を告白したあとは、「でも、今朝はまったく逆の考えが浮かんで。諦めないことが大事なんだと。だから、俺が夢を追い続けることから逃げないよう、みんなに証人になってもらいたい」と観客に求めた。そして「パンデミックでも(ライブを)続けるのはキツいと思ってもやれる方法は絶対にあって。いまここでみんなと過ごせているのも諦めなかったことの蓄積だから」と熱く語りかけ、「この先も諦めずに自分の音楽をやり続けていきますので、よろしくお願いします」と宣言すると、客席からは大きな拍手が沸き起こった。そうして、「声は出せないけど、“感じる”ことは制御できない。声が出せない分、感情は出して楽しんで下さい」といって客席を煽ったあとは、INORAN自ら客席を左右2つに分けて、種類の違うクラップを伝授。そのクラップの上でINORANは「Rise Again」をとびきりの笑顔でパフォーマンス。オーディエンスを「もっと」、「もっと強く」と煽りながら、一体感ある光景を作っていったのだ。「ツアー初日1st STAGE。とてもとてもいいツアーの始まりとなりました。このBillboard の空間と音楽をもっと“ビルド”アップしていきます」と今後のツアーに向けての抱負を伝え、ライブは終了した。
 ツアーはこの後、7月27日、28日は神奈川・Billboard Live YOKOHAMA、8月2、3日には大阪・Billboard Live OSAKAでの公演が控えている。INORANのアコースティックなサウンド、歌声を贅沢な空間で楽しめる本ツアー。五感を使って、ぜひあなたにも味わってみて欲しい。
Text by 東條祥恵
Photo by 田辺佳子

◎リリース情報
『IN MY OASIS Billboard Session』
<通常盤(CD)>
KICS-4067 3,300円(Tax.in)
<完全生産限定盤-LP SIZE DIGIPAK 仕様->
NKCD-6974 14,300円(Tax.in)
◎公演情報
【INORAN IN MY OASIS Billboard Session】
2022年7月9日(土)-10日(日)東京・Billboard Live TOKYO(終了)
2022年7月27日(水)-28日(木)神奈川・Billboard Live YOKOHAMA
2022年8月2日(火)-3日(水)大阪・Billboard Live OSAKA
【-solo works 25th anniversary special act.3-
INORAN TOUR BACK TO THE ROCK’N ROLL 2022】
2022年9月18日(日)大阪・梅田 CLUB QUATTRO
2022年9月19日(月・祝)愛知・名古屋 CLUB QUATTRO
2022年9月25日(日)茨城・水戸 LIGHT HOUSE
2022年9月29日(木)東京・恵比寿 LIQUIDROOM
<NO NAME? MEMBERS’ LIMITED LIVE>
2022年9月30日(金)東京・恵比寿 LIQUIDROOM

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